文系、それとも理系? 経済学部を目指すのに有利不利ってあるの?
文系からも理系からも入れる経済学部
国公立・私立大学を問わず多くの大学が設置している経済学部は、入試の面で他の学部とは大きく異なる特徴を持っています。それは、文系からも理系からも受験しやすい入試科目が設定されていることです。実際、理系を選択した生徒が経済学部を目指すことも珍しくありません。とはいえ、文系学部に分類されていることが多い経済学部。文系・理系のどちらから受験しても差はないのでしょうか?
センター試験、文系・理系の差
国立大学の経済学部の場合、センター試験では他の学部同様5~6教科が課されます。ただし、理科や社会の選択範囲を広くし、文系・理系の受験生に対応した形式になっていることが多いです。新課程になり、文系も理科2科目が課されるようになったこともあって、文系・理系どちらからの受験でも大きな差はないと思われます。なお、アラカルト入試が行われる公立大学の場合は、得意科目に絞ることができるので、文系・理系の差はさらに縮小します。 一方、配点については、社会の配点が理科より多くなる傾向にあります。この点、文系で社会が得意な受験生は多少有利かもしれません。しかし、経済学部を目指す受験生の場合、理系でも社会がからっきしダメというケースはあまりみられません。経済を学びたいという受験生なので当たり前といえば当たり前なのですが、そのため理系からの受験でも大きな不利を受けるということはないといえます。
数学がカギを握る2次試験
国公立大2次試験の場合、数学への対応がカギとなります。経済学は、数学と切っても切り離せない学問です。そのため経済学部の2次試験では、他の文系学部と異なり、難関大以外でも数学が必須となることが多いのです。 文系出身の受験生にとっては、一番のネックがこの2次記述数学です。マーク式のセンター試験はまだ何とかなっても、解答の過程まできちんと書かなければならない2次試験の数学には苦戦する、という受験生も少なくありません。普段から、記述数学を意識した勉強が求められます。 その点、理系の受験生は当然記述数学をしっかり学んでいるので、数学が必須科目になる場合は文系受験生より有利といえるかもしれません。ただし、出題範囲は数Ⅰ・A・Ⅱ・Bまでに限定されます。理系の生徒は、入試で使わない数Ⅲを学校で勉強しなければならないというハンデを背負うので、実は思ったほど有利ではなかったりもします。
バランスのとれた得点力が何より重要
このように、経済学部入試において文系・理系の差はあまり重要ではありません。それよりも、苦手科目をつくらず、どの科目もまんべんなく得点できるバランスのとれた得点力を身につけるほうが重要です。特にずば抜けた得意科目もないけれど、極端な苦手科目もないという人は、経済学部に向いているといえるでしょう。