「勉強と部活の両立」が勧められるのはなぜ?
「勉強と部活の両立」がもたらすプラスの影響とは?
中学・高校では、「勉強と部活の両立」を勧められることが非常に多いです。「部活はしなくてもいいから、勉強に集中しなさい」と言われることは稀です。また、スポーツが盛んな学校でも、「文武両道」をうたい、学業との両立を目指させる場合が多くみられます。これにはいろいろな理由があるのですが、受験勉強の面からも説明することができます。今回は、「勉強と部活の両立」が受験勉強にもたらすプラスの影響についてみていきます。 ハードな毎日が後に実を結ぶ
勉強と部活の両立は、体力的にも時間的にも厳しいものです。特に運動部では、夜遅くまで部活の練習、休日も試合、とハードな毎日が続きます。当然、勉強時間も削られる上、時間があっても疲れて勉強に影響が出てしまう、ということもあるかもしれません。このため、部活生は高3のはじめごろまでは部活をしていない人に比べ学力が不足しがちです。しかし、部活との両立でつらい思いをしてきたことが、後々の受験勉強で役に立つのです。
部活と受験勉強は似ている!
受験生は、長期間にわたる勉強を続けなければなりません。この状態は、精神的にも体力的にもハードです。ここで、部活との両立を実現してきた人とそうでない人との違いが表れてきます。部活と受験勉強には似ている面があり、部活をがんばってきた人は受験勉強でも学力を伸ばしやすい傾向があるのです。
秋以降に伸びてくる部活生
好き好んで受験勉強をやっている、という人はほとんどいないでしょう。受験生のほとんどは、志望校合格のために、趣味や娯楽を我慢し、不安に耐え、毎日つらい思いをしながら受験勉強に励みます。この状態は、試合での勝利やコンクールでの好成績などを目指して日夜練習に励む部活と似ています。部活でがんばってきた受験生は、毎日の練習の積み重ねが重要であることを体感的に知っています。また、部活を通じてひとつのことに打ち込む集中力や、困難に立ち向かう精神力も養われています。つまり、部活をがんばることで、困難な目標に向かってコツコツ努力する姿勢が身につき、受験勉強にもプラスの影響をもたらすのです。だから、部活生は部活を引退した時点では勉強時間不足によるハンデを背負っていても、秋以降に偏差値を伸ばしてくることが多いのです。
意外と見逃せない、体力的なアドバンテージ
また、運動部や吹奏楽部などのように体力も必要な部活を続けてきた人は、当然ながら体力の面でも部活をしていない人より有利です。受験勉強を続けるには、意外と体力が必要です。体力といっても、身体を動かす能力というより、疲労や病気に負けず体調を保つという意味での能力です。特に受験直前期にはインフルエンザなどの流行も起きやすく、体力のない人は受験勉強による疲労で体調を崩しやすくなります。一方、体力的に鍛えられている部活生は、直前期の追い込みで無理が利くので、最後のひと伸びで逆転合格を実現する可能性が高くなります。この点も、勉強と部活の両立を実現してきた部活生ならではの特徴といえるでしょう。