これから大学受験をスタートする人へ贈る、センター試験への備え方
現行センター試験、準備のしかたとは
センター試験に代わる新試験制度についての情報が報道され始め、センター試験廃止が現実味を帯びてきていますが、かといってすぐに廃止されるわけではありません。少なくとも現在高校に通っている人たちは、現行の制度のもとで大学受験に臨むことになります。
そこで、今回は国公立大学を目指す人向けに、センター試験を見据えた大学受験準備のしかたを取り上げてみます。
苦手科目をつくらない
まず何よりも重要なのは、苦手科目をつくらないことです。
センター試験は、いってしまえば『総合力』の試験です。国立大学を受験する場合、センター試験では英語・数学・国語・理科・地歴公民、すべてにおいてまんべんなく得点できることが合格の条件になります。地方の国立大では各科目の合計点の70%前後、旧帝大クラスの難関国立大なら80%前後得点できていないと、合格は非常に厳しくなります。
また、公立大学でも、科目数が多少減るものの、総合力が問われることは変わりありません。1科目だけ得意でも、他の科目で点数が取れなければ国公立大学では勝負にならないのです。
そこで、国公立大学を目指すなら、まず普段の学習でどの教科でも手を抜かないようにしましょう。1科目だけなら短期間で仕上げることも可能かもしれませんが、5~6教科を総合的に仕上げるのは短期間では不可能です。高1・高2のころから地道に基礎学力を積み上げていくのが、実は国公立大学合格への最短ルートだといえます。
主要3教科は高2までに過去問を解いておく
次に、英語・数学・国語の主要3教科については、高1・高2のうちにセンター本試験の問題をいくつか解き、実際の本試験のレベルや問題形式を体感しておくことをお勧めします。過去問を解くことで、実際の試験レベルやその時点での自分の実力を把握する、つまり「敵を知り、己を知る」ことができるからです。
英語・数学・国語については、進学校であれば高2までに出題範囲を習い終えることがほとんどです。そこで、高2の後半ぐらいから、主要3教科についてはセンター本試験過去問を解いてみるべきです。特に数学Ⅰ・Aについては高1で習う範囲なので、センター本試験レベルの問題でも早いうちからチャレンジできます。
早く始めれば始めるほど、本試験当日までに時間的余裕が生まれます。この時間的余裕こそ、仕上げるのに時間がかかる主要3教科の得点率を上げるのに必要な要素です。
高3になってから対策を始める人と高2までに始めた人の間で、国公立大学現役合格率に差があることはよく知られていますが、その主な要因は主要3科目にかけられる時間の差です。繰り返しになりますが、高2後半からの受験勉強スタートが現役合格への第一歩だといっていいと思います。
文系は数学、理系は国語の得点力を上げよう
こうしたポイントをふまえた上で、特にお勧めしたいのは『文系は数学、理系は国語』に力を入れることです。文系受験生の大半は数学が苦手です。しかし、裏を返せば得点を伸ばせる余地が大きいということでもあります。先ほども述べたように、センター試験は総合力が問われる試験なので、数学で点がとれる文系受験生は国公立大学を受験する上で非常に有利です。
同じことが、理系受験生の国語についてもいえます。苦手だからと早々に切り捨ててしまうなんてもったいない!粘り強く勉強していけば、得点アップの可能性はどんどん広がります。苦手な科目こそ、早いうちから勉強に取り組んでみてください。