せっかく志望校に合格できたのに……『燃え尽き症候群』の原因とは?
苦手科目を克服するための条件とは?
長くつらい受験勉強を乗り切り、見事志望校合格を果たしたからといって、必ずしも全ての人が入学後に幸せな学校生活を送れるわけではありません。成績不振に陥り、そのまま学ぶ意欲をなくしてしまう生徒が少なからずみられます。
志望校合格後に訪れることがあるこの学業不振は、よく『燃え尽き症候群』とよばれます。受験を勝ち抜いたはずの生徒がどうして燃え尽きてしまうのか、燃え尽きを防止する手だてはないのか……。今回は、この燃え尽き症候群を取り上げてみます。
燃え尽きの原因1 志望校合格=ゴールという錯覚
燃え尽き症候群に陥るのはどうしてなのでしょうか。それには、いくつかの要因が考えられます。
まず、志望校合格が『ゴール』になってしまっていることが挙げられます。
本来、受験とは上級学校で学ぶためのステップ、つまり通過点にすぎません。しかし、競争の激しい難関校入試の場合、合格ラインが非常に厳しいために、どの受験生もハードな受験勉強を強いられます。
その結果、受験生にとっては、通過点であるはずの受験がゴールのように思えてしまい、受験が終わったとたんに緊張の糸が切れてしまうのです。いったん気持ちが切れてしまうと、再度やる気を取り戻して勉強に打ち込むのは困難だと言わざるを得ません。
燃え尽きの原因2 授業のレベルが高すぎる
さらに、入試と入学後に学ぶ内容とのギャップも燃え尽きの要因です。
たとえば中学受験後の場合、問題になるのは受験でほとんど必要とされない英語や生徒間の実力差が激しい数学です。これらの科目は公立中の生徒もつまずきやすいですが、授業のレベルが高い国私立中や公立中高一貫校では、少しのきっかけで授業についていけなくなり、やる気をなくしてしまう可能性がさらに高いのです。
燃え尽きの原因3 ライバルのレベル
もう1つ、ライバルたちのレベルの高さも燃え尽きにいたる要因です。
同じクラスのライバルたちは、みな同じ入試を乗り越えてきた人間たちです。入学後は、そのライバルたちと競い続けなければなりません。周囲のレベルが高いと、校内順位も伸びにくくなりますし、一生懸命勉強したとしても下位をさまようことになりかねません。
特に、入学後最初のテストの成績が低いと、やる気も起きにくいですし、そのままやる気をなくしかねないのです。
燃え尽きを防ぐには
このような燃え尽き症候群に陥らないためには、大きく分けて2つの対策が考えられます。
まず1つは、受験時に志望校を高望みしすぎないことです。自分の学力レベルより高い志望校を掲げると、合格自体がゴールになりやすくなる上、たとえ合格したとしても入学時から周囲のレベルに圧倒されることになりかねません。もちろんあこがれの志望校を持つことは大切ですが、入学後の学習についていけるのかを冷静に考えることも大事です。
また、入学までの過ごし方も大切です。受験が終わったからといって安心することなく、新たな勉強に備えて早めに予習をしておきましょう。しっかり予習をして、4月の授業をスムーズに乗り切れれば、落ちこぼれになってしまう可能性が減ります。