時代の変化の影響は大学での学びにも! 様々な大学の変化を知る
時代の変化とともに変わる、大学での学び
教育制度の変更やICT(情報通信技術)の進歩といった時代の変化とともに、大学での学びにも様々な変化が生まれてきています。今回は、現代の大学で起こっている状況をいくつか取り上げてみましょう。
基礎学力の定着から始める大学も
近年、多くの大学で新入生の学力不足が問題になっています。かつての『ゆとり教育』や少子化などの影響で、入試での偏差値や倍率が低い大学では、大学教育で本来求められる水準の学力がないのに入学してくる新入生が多数いるという状況が生まれています。
こうした大学では、英語で中学レベルの文法の授業が行われたり、数学では小学校で習うような単純計算から教えたりといった事態が発生しています。当然、大学で本来学ぶべき内容は後回しになってしまいますし、結果として就職の際に社会で求められる能力が十分身につかないおそれもあります。定員割れの状態が何年も続いている学部・学科には、特に注意が必要でしょう。
新入生はパソコン必携?
10年前には考えられなかった状況ですが、今や新入生全員にノートパソコン持参を義務づける大学も現れています。
たとえば、広島大学では授業やレポート作成での活用、あるいはペーパーレス化の推進などを目的として、2015年度の入学生からノートパソコンを必携としました。しかも、ただ持っていればいいというものではなく、1日の授業を通してパソコンを使えるよう、持ち運び可能でバッテリー駆動時間8時間以上、無線LAN接続可などの条件を設け、入学前には大学がパソコンの点検やオフィスソフトのインストール指導まで実施するというのですから驚きです。
ただでさえお金のかかる新入生、そこにパソコン購入も必要となると経済的な面から不安の声も上がりそうなところです。しかし、そこはよく考えられており、通常数万円するワード・エクセル・パワーポイントといったオフィスソフトは大学が無料配布。大学生協では、十分なスペックを持ったパソコンを通常価格よりかなり安い価格で販売していますし、経済的な問題のある学生には長期貸出などの制度も設けられています。
年4学期制で留学促進?
大学では、ひとつの授業が週1回の割合で行われる2学期制が一般的です。しかし、海外留学の促進や短期集中授業の実施などを目的に、4学期制(クォーター制)を導入する大学も現れています。クォーター制では、週2回授業を受けることで授業内容の定着度を上げることができます。また、短期間で単位がとれるので短期留学に行く時間も確保でき、海外の大学が夏季に行うサマープログラムに参加しやすくなることも期待されます。2013年度ごろから早稲田大学・慶応義塾大学などが相次いでクォーター制を導入しており、前述の広島大学でもやはり2015年度から導入されています。
このように、近年の大学教育では様々な改革が行われています。常に情報を集め、自分の志望大学での学び方がどう変わるのか、高校生のうちからチェックしておくことが重要といえます。