222(コラム)

若者を悩ませる「受験うつ」とは?

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若者に多い、新しい形のうつ病が増えています

「受験うつ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「受験うつ」と言っても、そういった名称の特別な病気が存在するわけではなく、受験の時期に発症するうつ症状をこう呼んでいるのです。

 

最近では日本を含めた先進国の間で、うつ病を発症する子供が増えているようです。その理由としては、物質的に恵まれた環境で生まれ育った分、精神的な面では打たれ弱くなってしまったということが考えられています。また、日本の場合は社会が今後発展するという期待を抱くことができず、未来に対して後ろ向きな心理状態になってしまいがちという理由もあると言われています。

 

もちろん受験という状況の中にも、うつ病を引き起こす原因は潜んでいます。

受験は多くの子供にとって人生の最初の試練であり、周りの期待や「失敗したらどうしよう」という不安から生じるプレッシャーは相当なものです。特にストレスに弱い未成年者にとっては、かなりの精神的負担となるでしょう。こうした状況が長く続くことによって、うつ病が発症しやすくなると言われています。

 

「受験うつ」の特徴とは?

いわゆる「受験うつ」と呼ばれる症状には、以下のようなタイプがあります。

 

・プレッシャー型

身近な人々からの過剰な期待を受けることで発症するものです。イラ立つような態度が目立ち、不機嫌、敵意、欲求不満、すぐに怒りを爆発させるといった症状が出てきます。

 

・モチベーション喪失型

勉強する気をなくし、合格する自信もなくすことがきっかけで発症します。勉強が思い通りにはかどらないことが主な原因であると考えられています。「自分には価値がない」と思うようになり、批判や拒絶、自分の失敗に敏感になってしまうのが特徴です。

 

・比較、競争型

同級生と自分を比較して、劣等感を感じることによって発症するタイプです。受験からくる問題から逃げるためにネット依存になることもあり、孤立しやすくなる傾向があります。

 

また、受験期に発症するうつ病の中には今までのうつ病のイメージに当てはまらないものも多く、現在のところ「新型うつ」と呼ばれています。この新型うつは仕事中や勉強中にうつの症状があらわれるものの、自分の好きなことをしている間はおさまる傾向にあります。

 

こんな症状が出たら「受験うつ」かも?

上記のタイプの他にも、受験うつ病全般にあらわれる特徴として以下のようなものがあります。

 

・心の症状

勉強が手につかない

記憶力や集中力の低下

自殺願望

悲しみや絶望を感じる

 

・体の症状

睡眠症状

食欲不振・過食

過剰な疲労感

 

上記のようなネガティブな状態であっても、普通であれば2週間ほど経てば回復していくものです。しかし2週間経っても回復が見られない場合は、うつ病である可能性があります。近くの心療内科か精神科を受診するようにしましょう。

 

受験というストレスが長く続く状況の中では、うつ病を発症してしまう危険性は決して小さくありません。受験を乗り切るためであるのももちろんですが、子供の心を健康に保つためにも、なるべくストレスのかからない環境作りを心がけましょう。それでも子供にうつ病のサインが見られたら、迷わずに対策をとることをおすすめします。

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