「理高文低」から「文高理低」に 文系学部のメリットとは
「理高文低」から「文高理低」に 文系学部のメリットとは
ここ数年間は、「堅実」「就職に強い」というイメージから理系学部の人気が高い「理高文低」が続いていました。しかし、最近では大学の就職状況が改善してきたことから文系学部でも就職がしやすくなりました。また、理系科目の試験出題範囲が広がったことを理由に理系学部を敬遠したい学生の流れもあり、文系学部の人気が回復し「文高理低」となっているようです。しかし、勉強や研究に励んでいる理系学部に対して、文系学部にはどこか軽いイメージを抱いている人は少なくないでしょう。
そこで、今回は勉強と就職の2つの面から文系学部のメリットを紹介したいと思います。
文系学部のメリットとは?
文系学部のメリットというと、よく「自由になる時間が多い」や「学費が安い」といった答えがかえってきます。どちらも大切な理由ですが、学業を極めることが大学の目的だと考えると、メリットとしては後ろ向きな印象を抱いてしまいがちです。
しかし、これだけが文系のメリットというわけではありません。
文系学部に進んだ先輩の中からは「分野をこえて、さまざまな学問について勉強することができる」という意見もあがっています。
文系学部の中で特に人気が上がっている「社会科学系学部」は、学問的な枠組みを越えて総合的な視点から研究に取り組むことが求められる総合学部です。法学、経済学、経営学、社会学など学ぶ分野は多岐に渡るため、1つの分野に絞らずに幅広い学習がしたい方に人気のようです。
また、大学のカリキュラムにもよりますが、他学部の講義を聴講しやすいことも文系学部のメリットであるようです。もちろん理系学部の学生も他学部の講義の聴講はできますが、実験や課題の多い理系では他学部の分野にまで勉強の範囲を広げることは簡単ではないでしょう。
文系学部の就職
以前まで理系に人気が集まっていたのは「就職活動に有利」という理由も大きいでしょう。
理系の学生の場合、就職する対象が自身の専攻した学部や学科に関した分野に縛られがちです。
多くの文系学部では就職する分野がはっきりと定まっているわけではないので、幅広い業種の中から就職活動をすることができます。
文系学部の学生が就職する業態は、営業、企画、経理、総務、人事など技術職以外の職種が多くを占めています。こういった職業の場合は現場に入ってからの経験が肝心なので、大学での経験が大きく響くわけではありません。そういう意味では、就職活動を視野に入れずに、本当に自分の興味がある分野の勉強を進めることができるのも文系学部のメリットだといえるでしょう。
さらに公務員や公認会計士といった、試験や資格が必要な職業の場合は、たくさん時間がとれる文系の学生のほうが有利であるともいわれています。
後悔のない学部選択を
ここまでの話から考えると、やはり時間に融通がきくことは文系学部にとって非常に大きなメリットだといえるかもしれません。空いている時間をアルバイトやボランティア活動などにあてることによって、社会的な視野を広げている学生もいるそうです。
しかしそれは、学生がその時間を有効に使う意識を持っていることで効果を発揮するものです。向上心や計画性をしっかりと持っている学生ならば、文系の学部に進むことで飛躍的に成長できるでしょう。もちろん、自分の勉強したい分野がしっかりと決まっている学生なら、理系学部に進学するメリットは大いにあります。自分の将来のことをしっかり考えて、学部選択を行ってください。