222(コラム)

6年制導入から10年、薬学部の現状は?

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6年制導入から10年、薬学部の現状は?

 

薬学部に6年制が導入されてから、今年で10年を迎えます。6年制で医療関連の学部というと医学部のイメージが強く、薬学部でも同様の6年制が導入されているということは、一般的にはまだまだ認知されていないといえるかもしれません。

 

しかし薬学部の受験を考えている受験生にとっては、6年制と4年制の違いはもちろん、受験倍率や受験に必要な科目など、気になる点はたくさんあるかと思います。今回は、そんな薬学部に関する情報をお伝えします。

 

薬学部の特徴とは?

薬学部を受験する人の多くは、将来薬剤師になることを夢見ている人が多いのではないでしょうか。一口に薬剤師といっても、その業務は多岐にわたります。多くの人にも馴染みがある薬局での調剤業務だけではなく、製薬会社での医薬品の研究・開発・製造、さらに医薬品の販売や検査機関、行政分野など、就職先や業務も幅広く存在しています。しかし医薬品の調剤や販売を行うには、薬剤師の資格を持っていないといけません。

 

つまり薬剤師の国家資格を取得することが薬学部の大きな目標であるといえるのですが、現在この試験を受けることができるのは6年制の薬学部に限られているので、注意が必要です。それでは今も残る4年制の薬学部の目的は何なのでしょう?

 

その目的は「薬学研究者の養成」です。薬剤師の養成という側面を強くした6年制の薬学部に対して、4年制の薬学部は従来の薬学部から創薬や衛生薬学といった分野を強化し、より研究に特化しているのが特徴です。国公立大学の中には、3年の進級時に自身の希望や成績で4年制と6年制を選ぶことができる所もあるようです。

 

4年制の薬学部への進学を考えている人に、就職に関して注意してほしいポイントがあります。現状では研究職での募集は少なく、多くの企業では大学院修士課程以上を修了している人を希望しているのです。そのため4年制の薬学部へ進んでも、研究職での就職を望むのであれば修士として大学でさらに2年間勉強をしないといけません。しかも研究職の求人は少ないので、修士を修了したからといって希望の職種に就けるとは限らないので注意しましょう。

 

薬学部の受験で重要な科目とは?

国立・公立の薬学部の受験科目はセンター試験では5教科7科目となっており、個別試験での受験科目は多くは3教科ですが、中には2教科や4教科という大学もあります。

 

私大の薬学部でも、現在ではセンター試験を利用する大学が増えています。受験科目が3教科の学校が多いものの、中には2教科、4教科のところも存在しています。

もちろん一般入試を行う大学もたくさんあります。その多くが3教科3科目ですが、最近では理科(化学)の1教科や、理科と外国語の2科目教科のみのところも増えてきました。

 

このように薬学部の受験科目にはさまざまな形式がありますが、その中でも特に大切な科目をあげるとすれば、間違いなく理科の化学だといえるでしょう。

最近では入試の多様化という事情から化学が必須ではない大学も増えているようですが、薬学部において化学は必要不可欠とも呼べる分野であり、基本的な知識を習得していなければ入学後に苦労するでしょう。そのため薬学部の受験を考えている人は、化学の勉強に力を入れる必要があります。

 

薬剤師の育成を目的として、6年制のカリキュラムを設けた薬学部。6年間の勉強や実習、そして金銭面的にも大変かもしれません。しかし、卒業と同時に薬剤師国家試験の受験資格が取得できることは、意義のあることではないでしょうか。

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