女子の人気が急上昇。農業高校という選択肢
女子の人気が急上昇。農業高校という選択肢
農業高校の状況が、近ごろ変化しています。
かつては共学にもかかわらず男子校か?と思うほど男子生徒がその割合の多くを占め、農家の跡継ぎが多く在籍しているイメージがあった農業高校。その農業高校が近年、女子の入学が増えているのだそうです。
その理由はどういった点にあるのでしょう。そして、農業高校を受験する場合はどんな科目を勉強したらいいのでしょう。
今回は、そんな農業高校の受験に関する情報をお伝えします。
農業高校が人気な理由とは?
農業高校の総生徒数は、ここ近年減少傾向にあるようです。しかしその一方で、女子の生徒数は増加しています。文部科学省が公表した2015年度の農業高校の女子の割合は48.8%と過去最高になり、世田谷区にある都立の農業高校では女子の割合が6割以上までに及んでいます。
その理由はいくつかあるようですが、もっとも大きなものとしては、女子に人気の科目が受験できるようになったことがあげられるでしょう。
1989年の学習指導要領の改訂から、農業高校でパンやケーキといったお菓子作りの授業が行われるようになりました。さらに2000年に改訂された学習指導要領では、ペットや動物の世話に関する授業も可能となっています。
他にも現在の農業高校の授業では、生活・園芸の科目にフラワーアレンジメントが含まれています。お菓子作りにペットや動物の世話、お花といった、女子に人気の高い分野が学べるようになったことで、農業高校での女子の人気が上がってきました。
こうした現状に注目して、農林水産省も女子が農業分野に関わる女性をサポートするための活動を行っています。その一例として、2013年から農業に携わる女性を企業と引き合わせ、自分たちの取り組みを社会に向けて発信する「農業女子プロジェクト」を始めています。
農業高校を受験する前に、知っておきたいこと
ここでは農業高校の受験を考えている方に、受験の前に知っておくといい情報について紹介しましょう。
多くの人がまず気にするのは、受験に必要となる科目でしょう。農業高校の受験科目は学校によって違っており、英語・数学・国語の三科目の受験を行っている学校や、各都道府県の教育委員会が定めた受験要項にもとづいている学校とさまざまです。事前に自分が受験を考えている学校の試験科目を調べておくことが肝心です。
また、農業高校を卒業した後の進路も、受験する前に知っておくべきポイントでしょう。
農業高校卒業後の進路は進学と就職が大体半分ずつで、就職する人の割合がやや多いようです。
就職先はやはり農業協同組合や食品関係の企業が多いものの、必ずしも農業関係ばかりだとは限りません。就職先や進学先の内容も学校によって異なるので、パンフレットの情報や説明会で質問するなどして、具体的な情報を得るといいでしょう。
女子人気の上昇とともに、農業高校のイメージは従来のものから変わってきているようです。
専門分野の高校というだけあって、農業高校の入学にははっきりとした将来的なビジョンを持っていることが条件だといえるでしょう。しかし農業に興味があるのはもちろん、お菓子作りや動物といった分野にも関心を持っている人は、選択肢の1つとして検討してみるのもいいかもしれません。