「志望校の過去問じゃないから解かなくていい」ってホント?
志望校の過去問を繰り返し解くのは定番だけど……
入試が近づいてくると、重要になってくるのが志望校の過去問演習です。志望校で実際に出題された入試問題を解くことで、志望校の入試の出題傾向や問題量、難易度などがわかり、合格するために必要な勉強についてのヒントが得られます。
また、実際に時間を計って解くことで、時間配分や優先して解く問題、あるいは捨てる問題の区別なども考えることができます。そのため、入試直前には志望校の入試過去問を何度も解くのが定番になっています。
志望校の過去問以外も解くべき!
ところが、中には「志望校の過去問だけ何度も解けばいい」と考え、それ以外の問題は解かなくていいと思っている人もいます。
確かに、入試直前の数日間には、志望校の過去問だけを何度も解き続けるほうがいいといえます。ただでさえ緊張するこの時期は、新しいことを勉強しても不安になるだけだからです。
しかし、それはあくまで入試直前の場合です。入試まで時間があるのなら、ぜひ志望校以外の過去問にも積極的にチャレンジするべきです。特に、志望校と近いレベルの学校の入試問題を解いておくことは重要です。一体、それはなぜでしょうか?
過去問は繰り返し出題されにくい
志望校の入試過去問は、確かに「過去に出題された問題」ですが、それは「これから出題される問題」ではありません。同じ問題を何度も出題すれば受験生の多くが解けてしまうので、問題を作る側は、今まで出題していない項目を狙って出題しようと考えます。それにともない、過去に出題された問題が繰り返し出題される可能性は低くなります。特に、公立高校入試や大学入試センター試験のように公的機関が作成する入試ではその傾向が強くなっています。
そのため、あまり早い時期から志望校の過去問演習だけに絞ってしまうと、今まで出題されていない単元についての知識の吸収ができなくなるので、結果的に入試での得点を伸ばすチャンスをつぶしてしまうことになります。逆に、志望校と同程度のレベルの他の学校の問題を解いておくと、結果的に志望校で同じ単元が出題される可能性があります。
国語や英語は、初めて読む文章が重要
とりわけ、国語や英語は志望校以外の過去問を解くことが重要な教科です。
国語や英語の長文問題は、初めて読む文章をいかに読み解けるかがポイントです。同じ学校が同じ作品の文章を何度も出題するケースはまずありません。しかし、過去問を繰り返し解くと、どうしても文章の内容を覚えてしまうので、問題演習の意味が薄れてしまいます。そのため、特に国語や英語については、初めて読む文章を求めて志望校以外の学校の過去問に積極的にチャレンジするべきだといえます。