早稲田大学が新たに導入する『新思考入学試験』の目的とは?
早稲田大学が新たに導入する『新思考入学試験』の目的とは?
早稲田大学が、『新思考入学試験』という新しい方式の入学試験を実施することを発表しました。
この試験は、地方で活躍する人材の育成が目的であり、地域に貢献する意識があるかどうかが重要な基準となっています。
新しい受験の形を示す大切なトピックスなので、ぜひともこの試験の内容を把握しておきましょう。
『新思考入学試験』の内容とは?
新思考入学試験には、『地域連携型』と『北九州地域連携型推薦入試』の2種類があります。
どちらも『新思考型入学試験』と呼ばれていますが、条件は大きく異なるので、受験を検討している人は注意しなければいけません。
『新思考入学試験(地域連携型)』は、地域の発展に貢献する意欲を持った人材の育成を目的とした受験です。
出身地や居住地、資格、現役生か既卒生かといった制限はなく、幅広い条件から希望者を募っています。
対象となっている学部は『文化構想学部』『文学部』『商学部』『人間科学部』『スポーツ科学部』の5つで、学部の併願は不可となっています。
また、入学試験要項に記載されている募集人員は、どの学部でも『若干名』と記載されています。
試験は『書類審査』『総合試験』『センター試験』の3段階を踏む形になっており、書類審査では出願書類となる課題レポートと評価書を審査し、総合試験では120分間の論理的思考力を問う試験が行われます。
もう1つの『新思考入学試験(北九州地域連携型推薦入試)』は、早稲田大学の北九州キャンパスがある北九州市で活躍する人材の育成を目的にしています。
実施する学部は基幹理工学部学系Ⅱのみで、募集人員も最大10名程度に限られています。
入学者の選抜方法は北九州地区を中心とした指定校の推薦入試です。
入学希望者は北九州キャンパスにて学部4年次から卒業論文研究を行い、それ以降も北九州キャンパスの大学院情報生産システム研究科(IPS)にて研究活動を行うことが条件となっています。
地域との連携を目指す新思考入学試験
新思考入学試験(地域連携型)の最初の課題であるレポートでは、地域の問題への関心の高さが問われます。
そのため、レポートではそれぞれの地域の課題を把握した上で、その課題の解決につながる活動を行った経験の有無や、将来的にはどのような形で地域に貢献していきたいのかを、具体的に伝えることが大切です。
新思考入学試験(北九州地域連携型推薦入試)が行われる北九州キャンパスでは、地元の企業とIPSによる産学連携の取り組みが進められており、産学連携教員による実践教育や就職支援も行われます。
新思考入学試験は学力などの基本的な条件だけではなく、地域を大切にする意志も重要な評価の基準になります。
地域貢献が期待されており、入学後に学ぶ内容やその後の進路にも関係してくるので、単純に入学の選択肢として新思考型入試を利用するのではなく、将来的な展望を見すえた上で希望することが望ましいと言えるでしょう。
今回は早稲田大学の取り組みについて紹介しましたが、こうした取り組みが広がっていけば、地域への関心の高さも受験生にとって大事な要素になる可能性があります。
ですがそれは受験に限らず、いずれ社会に出ていくすべての受験生にとって大切な視点でもあります。
視野を広げるためにも、今回紹介した情報をきっかけに、地域の課題に関心をはらってみてはいかがでしょうか。