受験にも活用できる資格『数学検定』とは
受験にも活用できる資格『数学検定』とは
資格の中には、大学入試の評価に反映されるものもあります。
『漢検』や『英検』『TOEIC』が有名ですが、『実用数学技能検定』(通称『数学検定』)も、受験に活用できる検定試験として知られています。
数学検定を取得しておくと、優遇措置によって大学受験を有利に進められる可能性があるのです。
ただしこの検定を活用するためには、優遇措置の内容や、優遇を受けるには何級以上を取得している必要があるかなど、基本的な情報を知っておく必要があります。
ここでは、そんな数学検定の概要についてお伝えします。
多くの学生が受験している数学検定
数学検定は、公益財団法人日本数学検定協会が実施している検定試験で、『計算』『作図』『表現』『測定』『整理』『統計』『証明』の技能を測ることを目的としています。
現在では小学生から高校生までの学生を中心に、年間30万人以上が受験しています。
試験は、計算技能を測る1次と数理応用技能を測る2次にわかれており、すべての解答が記述方式となっています。
数学検定は基本的に1級から11級までにわかれていますが、6級から11級までは小学校の算数で扱う分野が出題範囲になっているので『算数試験』、5級以上が『数学検定』と、異なる名前で呼ばれています。
準2級以上が高校の学力に対応しており、学年別で、準2級が高校1年程度、2級が高校2年程度、準1級が高校3年程度のレベルとなっています。
特に受験するのに必要となる資格はなく、どの級からでも受験することができます。
受験する際には、志望校の優遇措置の内容や自分の学力を考慮して、適切な級を選ぶと良いでしょう。
人物評価に反映される数学検定
現在では、多くの大学が、規定以上の数学検定の級を持っている受験生に対して、入試優遇の制度を設けています。
2016年の12月の時点では、440校以上の大学・短大・専門学校で入試優遇制度が導入されています。
優遇措置の内容は学校によって違いますが、具体的には
・推薦入試の際に加点対象とする
・AO入試での加点対象とする
・推薦入試、またはAO入試で自己アピールの参考にする
といった内容が多くみられます。
中には『取得級によっては一般入試で点数加算をする』という措置をとっている大学もあります。
優遇措置の対象も大学や学部によって違いますが、公表している大学の多くが、高校レベルである準2級、または2級以上を対象にしています。
数学検定の公式ウェブサイトでは、入試優遇制度を設けている学校の一覧を掲載しています。
対象となる級まで具体的に記載している学校やそうでない学校など、どのような入試にどの程度優遇されるかもわかるので、チェックしておきましょう。
数学検定はAO入試や推薦入試を考えている受験生にとっては、評価のアップにつながる魅力的な検定です。
しかし、大学受験に直接活用できることだけが、この検定のメリットではありません。
検定を通じて自分の実力を確かめることで、さらに上のレベルを目指すきっかけになります。
数学へのモチベーションを高めるという意味でも、数学検定はおすすめしたい検定試験です。
数学に自信がある人も、これから得意科目にしたいと考えている人も、大学受験という大きな目標に向けて、数学検定の受検を検討してみてはいかがでしょうか?