思考力を養う学習法「対話型学習」とは?
思考力を養う学習法「対話型学習」とは?
入試の傾向の変化に伴い「対話型学習」と呼ばれる学習方法が注目されています。今回は対話型学習を導入する塾や学校の授業の内容を例に挙げて、この学習法や期待される効果などを紹介します。
塾や学校で実践されている対話型学習
対話型学習というのは、文字通り生徒の対話・発話を重視する学習方法です。近年では1対1で個別のトレーニングを行ったり、1人の講師が少数の生徒を指導するなどの形で対話型の授業を大事にしている学習塾があります。これらの塾からは、生徒の理解度に合わせた授業が行え、生徒が自分で考える力が身につくなどの効果が報告されています。
授業で対話型学習を大切にしている学校もあります。例えば神奈川県の洗足学園中学高等学校は、公式ウェブサイトの中で「対話型授業を中心に厳選したテキストを使って『考える力』の基盤をつくる」ことを国語の授業の特徴に挙げています。国語の授業では、筆者の考えを丹念に読み把握した後、それに対する反論や立場の違う意見を想定させ、多角的な考え方ができるように問いかけます。時にはグループで話し合わせることで、多様な思考の可能性を知るきっかけになります。こうした取り組みや、プレゼンテーションやディベートを通して自分の考えを伝える時間を設けることで、語彙力を高め、話題や論理の展開の「型」をつかめるような指導がなされています。
思考力を養う対話型学習
平成33年度からセンター試験に代わって導入される大学入学共通テストでは、記述式問題の導入及び思考力・判断力・表現力を一層重視したマーク式問題の出題が予定され、より思考力や表現力が重視されるようになります。対話型学習はあらゆる視点から物事をとらえ、これらの力を養う学習方法といわれています。
対話型学習を重視する塾は、1人の先生がたくさんの生徒を指導する集団授業に比べ、いつでも質問ができたり、わからない問題は対話によってさまざまな方向からヒントがもらえるなどの特長があります。根気良く問題に取り組むことで、課題への理解が深まることはメリットに挙げられるでしょう。国語に対話型学習を取り入れている洗足学園では、吸収した知識を活用し、自分の考えを発信する機会を通して、知識の吸収をより確固たるものにすることを目標に授業を展開しています。
対話型学習は受身になりがちな従来の授業と比べて、自分で考える力が磨かれます。こうして培われた力は受験だけではなく、大学や社会での活動にも役立つでしょう。塾を決める際や志望校を選ぶ際には、授業に対話型を重視しているかどうかも大事なポイントとして注目すると、自分の能力が広がるきっかけになるかも知れません。