私立大学などの志願状況を私学事業団が公開
私立大学などの志願状況を私学事業団が公開
私立学校の教育の充実などを目的に、助成業務や共済業務といった事業を進める日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が、志願倍率や入学定員充足率(入学者数÷入学定員数で求めた値)などの動向を規模別・地域別・学部系統別にまとめた「平成30年度私立大学・短期大学等入学志願動向」という資料を公開しました。今回は公開された情報をもとに、平成30年度の志願倍率や合格率の状況、受験者と入学者の傾向や、志願倍率が高かった地域と低かった地域、そして志願倍率が高かった学部系統と低かった学部系統を紹介します。
志願者・受験者数は増加傾向。平成30年度私立大学・短期大学等入学志願動向の概要
平成30年度私立大学・短期大学等入学志願動向は、平成30年度に実施された「学校法人基礎調査」から、私立大学・短期大学(大学582校、短期大学301校、大学院466校)の入学者などに関する項目のデータを集計したものです。平成30年度の概況は、入学定員が484,986人(平成29年度は477,662人)、志願者が4,158,495人(同 3,882,572人)、受験者が3,999,532人(同 3,732,227人)で、いずれも昨年度より増加しています。しかし合格者は1,211,499人(同 1,238,559人)、入学者は497,773人(同 499,677人)と減少しています。志願倍率は昨年度の8.13倍から8.57倍に増加し、合格率は33.19%から30.29%に減少しています。
資料が示す志願倍率・入学定員充足率の特徴
平成30年度私立大学・短期大学等入学志願動向には、三大都市圏や地域別の志願倍率と入学定員充足率、学部系統別の志願倍率や入学定員充足率などのデータが掲載されています。
地域別の志願倍率(大学、学校別)で特に高い割合を示したのは、大阪の11.49倍と京都の11.21倍、東京の10.81倍でした。逆に東北(青森・岩手・秋田・山形・福島)は2.44倍、四国(徳島・香川・愛媛・高知)と甲信越(新潟・山梨・長野)はそれぞれ2.51倍、九州(佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)は2.53倍と、比較的低い倍率を示しました。
入学充足定員率では、近畿(滋賀・奈良・和歌山)が110.65%、福岡が105.67%、埼玉が105.25%と高く、四国が88.64%、東北が93.25%、中国(鳥取・島根・岡山・山口)が93.90%と低い割合を示しました。
学部系統別の志願倍率をみると、医学が28.89倍と特に高く、続いて理・工学系が11.76倍、農学系が10.04倍と、高い倍率を示しています。倍率が低い学部系統には、体育学の3.21倍、芸術系の3.31倍、家政学の4.47倍、歯学の4.52倍があります。入学定員充足率では体育学の106.44%がもっとも高く、社会科学系の104.49%、人文科学系の103.99%と続きます。反対に歯学が81.29%、薬学が95.62%、家政学が97.46%と低い割合を示しています。
平成30年度私立大学・短期大学等入学志願動向には、さまざまなデータが掲載されています。私立大学の受験を考えている人は、計画を立てる参考にしましょう。