文部科学省が学びの革新プランを公表。先進的な遠隔教育の取り組みとは
文部科学省が学びの革新プランを公表。先進的な遠隔教育の取り組みとは
文部科学省は「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」を取りまとめました。このプランでは、政策の柱の1つに「遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」を掲げており、ウェブサイト上でICTを活用した遠隔授業の事例を紹介しています。
ここでは、文部科学省が進める遠隔教育推進の取り組みの概要を紹介し、すでに行われている遠隔授業の事例として、長野県喬木村の取り組みについてお伝えします。
先端技術を活用して質の高い教育の実現を目指す
「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」は、Society5.0(サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会)時代を見据え、「1.遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」「2.先端技術の導入による教師の授業支援」「3.先端技術の活用のための環境整備」の3点を政策の柱とし、先端技術の活用によりすべての児童生徒に対して質の高い教育を実現することを目指すものです。
文部科学省のウェブサイトでは、ICTを活用した遠隔授業の事例として、長野県喬木村と熊本県高森町の取り組みが紹介されています。
長野県喬木村のICTを活用した取り組みとは
長野県喬木村は「本村のような中山間地域においても、多様な他者の考えに触れ、協働し、新たな課題や価値を見出し解決していけるような、教育の環境と質の改善が必要」との考えから、積極的なICTの活用を進めています。例えば、小規模校同士がカメラを通して意見交換したり、電子黒板で俳句の作品を共有するといった遠隔合同授業を実施しています。また、ICT支援員を配置して人的サポートを整えたり、中学校に1人1台のタブレット端末を導入したりして、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を促進しています。こうした長野県喬木村の取り組みは、地方創生のための活動として認められる教育施策の中で優れた取り組みを顕彰する「2018日本ICT教育アワード」で文部科学大臣賞を受賞しました。
柴山・学びの革新プランでは、学校は、単に知識を伝達する場ではなく、人と人との関わり合いの中で、人間としての強みを伸ばしながら、人生や社会を見据えて学び合う場となることが求められているとの考えのもとに、教師を支援するツールとして先端技術を活用し、新たな社会を牽引する人材を育成する質の高い教育の実現を目指します。政策の柱の1つである遠隔教育の推進には、様々な状況に対応した教育の充実や、特別な配慮が必要な児童生徒の支援、教育の質向上のための優れた外部人材の積極的活用につながるといった効果が期待されています。