2020年度から小学校で必修になる「プログラミング教育」の内容が分かった! 文科省が 教師向け研修教材を公開
テキスト教材のほか、YouTubeで映像教材も公開
文部科学省は6月3日、2020年度からの小学校プログラミング教育の実施に向けて「小学校プログラミング教育に関する研修教材」をホームページで公開しました。
プログラミング教育を担当する教員がプログラミング教育の狙いを理解するとともに、必要な基本操作などを学ぶために作成されたものです。文科省では「本研修教材を校内研修や、個人での研修などで積極的に活用いただくことを期待しています」と、閲覧を奨励しています。
今回とくに注目のポイントは、テキスト教材に映像教材を追加した二本立てになっているところです。映像教材はYouTubeの文部科学省公式動画チャンネルに登録されているので、スマホなどでも再生可能。YouTubeの動画へは同省のホームページからもリンクが貼られています。テキスト教材は同じサイトにPDFで登録されています。
内容はどちらも「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」(平成30年11月文部科学省)がベースになっています。ただし、テキスト教材には指導案や参考資料など、映像教材より詳しい内容を収録。文科省は、「本教材を視聴/閲覧する際には、ビジュアル型プログラミング言語を自ら操作しながら視聴/閲覧してください」と使い方を説明しています。
プログラミング教育への疑問解消に保護者も必見
では、具体的な内容を見ていきましょう。まず「小学校プログラミング教育の概要1」「小学校プログラミング教育の概要2」で、プログラミング教育の全体像をつかみます。“なぜ小学校プログラミング教育を導入するのか”から“小学校プログラミング教育のねらい、育もうとする資質・能力とは”、“小学校プログラミング教育の学習活動の分類”、“小学校プログラミング教育の指導例”までが解説されています。
以下の「プログラミング教育を行う際に必要となる基本的な操作等に関する教材」は、大人でも非常に興味深い内容です。小学校のプログラミング教育については話題先行で、理解が進んでいない面もあります。保護者の方も、ぜひ動画コンテンツだけでもご覧になることをお薦めします。
まず登場するのは、「Scratch 正多角形をプログラムを使ってかく【A分類(学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの)】」です。冒頭の「はじめに・基本操作」でビジュアル型プログラミング言語の「Scratch」について学び、次に初歩的な「正方形をかく」に取り組みます。
ビジュアル型プログラミング言語で「ねこ・ねずみを動かす」
次は「Scratch ねこから逃げるプログラムを作る【C分類(教育課程内で各教科等とは別に実施するもの)】」。やはり「Scratch」の基本を学び、「ねこ・ねずみを動かす」「背景を変える、動きを止める」といった応用編を学びます。
最後は「Viscuit たまごが割れたらひよこが出てくるプログラムを作る【C分類(教育課程内で各教科等とは別に実施するもの)】」。ビジュアル型プログラミング言語の「Viscuit」の基本を学んでから、「たまごが割れたらひよこが出てくるプログラムを作る」に取り組みます。
付録としてはテキスト教材のみですが、「本研修教材で扱っているScratchの命令ブロックについて(早見表)」を収録。また、映像のみの「小学校を中心としたプログラミング教育ポータルに掲載されている実践事例について」のほか、映像教材の全体版へのリンクも貼られています。
子ども時代にプログラミング言語のBASICで、パソコン画面に円や四角を描いた経験のある保護者の方もいるかもしれません。ご覧いただければ、それと比べて格段に興味深い内容になっていることが理解いただけるでしょう。
- 小学校プログラミング教育に関する研修教材(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416408.htm