222(コラム)

板書を写すだけでは不十分。学校では教えてくれないノートの取り方の基本

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うまくノートを取る技術は大人になっても役に立つ財産に

 

ビジネス社会で働いている方なら、仕事でメモやノートを取ることの重要性は十分ご存じだと思います。

例えば営業職の方なら、顧客の要望を聞いて大事なポイントをメモし、そこから課題を見つけてノートを作り、情報を収集して蓄積し、最適なレポートにまとめて提案します。ノートを取ったりまとめたりすることは、ビジネスの基本だと言えるでしょう。

 

一般的に学校の授業では、ノートの取り方について教えてはくれないものです。難関大学に合格した学生のノートは、理解を深めるためによく考え抜かれていると言われますが、子どもの頃からノートの取り方を意識して工夫することは、受験突破のみならず大人になっても役に立つ一生の財産になります。

 

 

カラフルな可愛いノート作りに熱中するのは勉強時間のロス

 

子ども時代のノート作りは、板書をノートに書き写すことから始まります。保護者の方は、板書がノートにきれいに書き写されていれば安心しがち。子どもも勉強したつもりになっていないでしょうか。

小学校低学年でしたら、マス目の中に文字を正しく間違えずに書く訓練の時期ですから構いませんが、高学年以降も板書を写すだけでは勉強したことにならないのです。

それでは板書をノートに転記する作業を機械的にしただけであって、脳はいくらも働いていません。脳を働かせて考え、授業のポイントや疑問点をメモしておくことが、ノートを取るうえで大事なのです。

 

また、ノートは決してきれいな文字で書かれている必要はありません。ノートを取るのは、大事なことや自分が感じたことを忘れないようにするためですから、後で読んで意味がわかったり、記憶がよみがえったりすればよいのです。

マーカーやカラーペンを使ってカラフルなノートを作る子どももいますが、ノートをきれいにすることに熱中してしまい、勉強する時間がなくなってしまうのでは本末転倒です。勉強したくないからカラフルなノート作りに逃げているのかもしれません。

算数の図形などで線を引くときでも、始めは定規を使うとして、だんだん手書きできるようにしてください。線を引く度に定規に持ち替えていたのでは、それだけ時間をロスしてしまいます。

 

 

保護者はノートの内容を見て、子どもに質問してみる

 

それでは、どんなノートがよいノートなのでしょうか。例えば授業中に取るノートであれば、授業中の理解の道筋や疑問点が分かるのがよいノートです。文字だけで書く必要はなく、引出線や図を使っても構いません。理解の道筋が後で再現できることがポイントです。

 

よいノートを取れるようになるためには、保護者の方の助言や励ましも大事です。例えば子どものノートを見て「これはどういう意味なの? 教えてほしいな」と聞いてみてください。

単純に板書を書き写すだけの子どもだったら、読むだけで終わってしまうのではないでしょうか。板書の書き写しが不十分な子どもなら、はぐらかすかもしれません。

一方、授業をよく聞いて理解している子どもなら、言葉は幼くても説明してくれるでしょう。分かったことを人に説明することは楽しいことだからです。人に説明するうちに、新しい気づきがあるかもしれません。

 

子どもがよく答えてくれたら、十分に誉めてください。子どもも誉めてもらえればうれしいし、足りないなと思ったら自分なりに工夫するようになっていくでしょう。

ただ、よく答えられなくても叱るのは厳禁です。「そのとき先生はどんな話をしていたの?」などと聞き返して、気長によい答えが返ってくることを待つことが大切です。よく答えられなかった場合、今度は先生の話をよく聞いてメモしておかなくては、と思うのではないでしょうか。

 

ノートの取り方自体も大事です。基本は十分に余白を空けること。文字を詰めて余白なく書いたのでは、後で振り返った時にポイントやメモを書き加えることができません。

また、ノートの表紙には科目やそのノートの表題の他、名前や書き始めた日にち、通しの番号なども記入しておきます。

もちろん、使い終わったノートは捨てないでください。必要な時に見返すことができるように、分類して保存しておきましょう。

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