222(コラム)

高額な大学の納付金、進学費用をどう作る、どう抑える

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初年度納付金だけで国公立が80万円、私立が平均133万円

 

家計に占める教育資金の割合は大きいもの。とりわけ大学受験ともなると、それは数百万円と多額なります。大半の保護者の方が前々から準備をして覚悟はしていたとはいえ、ため息が出てしまうのではないでしょうか。

 

もっとも金額がかさむのが大学の初年度納付金です。国公立大学の場合、国の定める標準額は入学金28万2000円、授業料53万5800円で合計81万7800円。この他、施設設備費などが加算される学部もありますが、納付金に文科系学部と理科系学部の差がないのが基本です。

それにしても、学資が安い印象の国公立大学でも、意外にかかるなというのが率直な感想ではないでしょうか。

 

一方、私立大学では全体の平均で入学金25万2030円、授業料90万93円、施設設備費18万1294円で合計133万3418円(2017年度、文科省集計)。国公立大学よりも50万円程度高い計算です。しかも学部による差が大きく、文科系学部は116万5310円だったのに対し、理科系学部154万896円、医歯系学部では477万957円に上ります。

 

大学の納付金はこれだけではありません。大学受験では複数の大学・学部を併願するのが一般的ですから、本命の大学の発表前に納付期限を迎えてしまう、いわゆる滑り止めの大学への納付金もあります。

 

受験料も相当な出費です。国公立大学では1万7000円。私立大学では3万5000円。仮に国公立大学1校、私立大学5校を併願した場合、合計19万2000円が必要になります。

しかも、試験会場までの交通費、遠方の受験生は宿泊代も用意しなければなりません。

 

合格した後も、教科書やパソコンなどの購入費、さらに下宿生は住居や生活用品の手配にも費用がかかります。保護者としては合格してくれた喜びと安堵感がある反面、今後卒業までどのように資金計画を立てれば良いか頭の痛いことでしょう。

 

 

受験日程や納付日を調べて無駄な出費を抑える

 

それでは、どうすればこうした出費を抑えることができるのでしょうか。

まず、抑えたいのが入学しなかった滑り止め校への納付金です。それには、第一志望から滑り止め校までの受験日と合格発表日、納付期限をよく調べてください。より入りたい大学の合格発表後に滑り止め校の納付期限がくるようスケジュールを組み立てることです。

なお、一度納めた入学金は例え入学を辞退しても戻りませんが、授業料は3月31日までに申請することで返還されるのが原則です。必ず期限までに申請してください。

 

遠方の大学を受験する場合、交通費や宿泊代も節約の余地があります。飛行機は早めに予約すれば割引になりますし、宿泊費も受験パックなどを利用することで抑えられます。

大学センター試験(2020年度からは大学入学共通テスト)に対応した大学を選ぶのも有効です。センター試験は全国主要都市で行われますので、遠方の大学まで出向く必要がありません。

また、国公立、私立を問わず地方試験に乗り出している大学が多数ありますので、その情報も調べておきましょう。特に都市部で地方試験を実施している地方の国公立大学は狙い目です。

 

この他、同一大学で試験日の異なる複数の学部を受験した場合、受験料が割引になる併願割引や、有料の願書を取り寄せる必要がないウェブ出願に対応している大学もありますので利用してみてください。

 

 

奨学金は親子で話し合い、返済計画を立てる

 

大学入学では何かと費用がかさみます。そこで視野に入れておきたいのが奨学金です。奨学金には大きく給付型と貸与型があり、給付型は返還する必要がありませんが、貸与型は返還の義務がある、いわば借金になります。

 

奨学金の給付事業を行っているのが日本学生支援機構です。無利子で借りられる第一種と上限年3%の利息を払う第二種があり、高校時代の学業成績や保護者の所得を条件に審査を行います。

また2020年4月に進学・進級する学生から、給付奨学金の対象者を拡大します。これは世帯収入のハードルが高いものの、成績だけで判断せず、本人の「学ぶ意欲」により給付を受けられるとされていますので調べてみてください。

何らかの事情で家の経済状態が突然悪化することもありますから、他人事だと思わないことです。

 

日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」も検討に値します。審査に10日程度かかりますが、100万円単位で借りることができます。

 

奨学金を借りるうえで大切なのは、早くから親子で話し合っておくことです。貸与型の奨学金は、例え無利子であっても完済まで10~20年かかりますし、返済が遅延すれば利息も発生します。無理のない返済計画を立てた上で借りるのが大事です。

 

出典:私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031.htm

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