【大学の学部選び】理系の学部について学ぼう!
「文理選択」は重要な選択
高校に進学すると、1学年の2学期には文系・理系のどちらに進むかという「文理選択」を迫られます。
この選択によって2学年以降の授業科目や、大学入試の受験科目が決まることに加え、大学卒業後の就職にも関係してくるため、とても重要な「人生の岐路」になるといっても過言ではありません。
文理選択は「得意・不得意」や「好き・嫌い」で決めてしまいがちですが、人生における重要な選択になります。安易な気持ちで決めてしまう前に、まずは文系・理系の学部についての知識を得た上で慎重に選ぶことが大切です。
今回は理系の学部に焦点を当て、理系に分類される学部や、それぞれどのような特徴があるのか、卒業後の進路にはどのような傾向があるのかなどを解説します。
主な理系学部
まず前提として、大学の学部や学科は実に多種多様です。大学によってその区分けの仕方もまちまちで、これといった決まりはありません。したがって今回ご紹介するのは、あくまでも代表的なものとして捉えてください。
主な理系学部として挙げられるのは、「理学部」「工学部」「農学部」「医療系学部」の4つです。これらの学部について詳しく見ていきましょう。
理学部とは?
理学部とは、自然界の原理を研究する学部です。
自然界に存在する物理法則や、生物のしくみ、物質の成り立ちといった原理を深く追求したい、未だ解明されていない謎を解き明かしたいという人に適しています。
理学部の中には数学科、物理学科、生物学科、化学科、地学科などの学科があり、高校までの数学や理科で習ってきたことを、さらに掘り下げて研究していきます。
理学部の卒業生は大学院に進む生徒の割合が多く、他の学部と比較しても大学院進学率が圧倒的に高いのが特徴です。
他には教員や大学の研究員になるケースも多く、一般企業に就職した場合は各種メーカーの研究職となることが多いようです。
工学部とは?
工学部とは、理学をベースに人間に有益なものを生み出す方法を研究する学部です。
理学部が原理について研究するのに対し、工学部は原理をどう応用し、人間の生活に役立てるかという合理性を追求する点に違いがあります。
「ものづくりに興味がある」「新しいものを発明したい」といった人は工学部が向いているでしょう。
工学部には、機械工学科、電気工学科、情報工学科、土木工学科、建築学科、応用化学科、物理工学科、ロボット工学科、航空宇宙工学科など、さまざまな学科が存在します。
工学部卒業生の主な進路は大学院進学のほか、自動車メーカーや電機メーカーのエンジニア、建設業、情報系エンジニアなどが多い傾向にあります。
農学部とは?
農学部は、食糧や天然資源といった、人間の生活に欠かせない分野について研究する学部です。
農業だけでなく、環境問題やエネルギー問題、バイオテクノロジーなど、人類の役に立つような研究を幅広く扱っています。
農学部には、農学科、園芸学科、畜産学科、水産学科、獣医学科などが含まれ、座学だけでなくフィールドでの実習も多いのが特徴です。
卒業後は国家公務員や地方公務員になる割合が高く、一般企業では食品メーカーや飲料メーカーの商品開発、研究員に就く傾向にあります。
医療系学部とは?
医療系学部とは、医学部や薬学部、歯学部、看護学部など、医療に関わる学問を取り扱う学部です。
これらは人間の生命や健康維持に直接関わる学部であり、豊富な専門知識と高い倫理観が求められます。
医学部は6年制を採用しており、6年間で専門知識を学び、多くの臨床実習や実験を繰り返し行います。
卒業後は医師国家試験を受験し、合格すると2年間の臨床研修を経て、ようやく医師として認められます。
薬学部は4年制と6年制があり、4年制は主に薬学の研究を行い、6年制は薬剤師の養成を行うという違いがあります。
薬学部の卒業生は薬剤師のほか、製薬会社やバイオ系会社の研究員となるケースが多いようです。
理系学部は職業に直結するのがメリット
理系学部を卒業すると、その専門知識を活かせる職業に就くことが多いです。大学で身につけた知識や技術を、後のキャリアにつなげることができるのが理系学部のメリットといえます。
ただし、理系学部は文系学部と比較すると課題や実験などが多く、多忙な大学生活を余儀なくされることは覚悟しておかなければなりません。
とはいえ「ものづくり大国」である日本において、理系の人材は重宝されやすい傾向にあり、その点が理系学部の大きな魅力といえるでしょう。