【大学の学部選び】文系の学部について学ぼう!
文系の学部について知っておこう
高校1年生の2学期には、文系か理系かを選ぶ「文理選択」をしなければなりません。約7割の生徒が文系に進みますが、「数学が苦手だから」「物理が嫌いだから」といった理由で文系を選ぶケースが少なくないのではないでしょうか。
教科の好き嫌いで文理選択を行うのではなく、文系の学部にはどのようなものがあるか理解し、その魅力を知ったうえで、自分の将来にとって最良の選択をすることがとても大切です。
主な文系学部
文系学部には大きく分けて2つの系統があります。ひとつが「人文科学系統」で、もうひとつが「社会科学系統」です。
人文科学系統は人間が生み出した文化について研究する学問系統であり、文学、語学、哲学、心理学、歴史学、考古学、教育学、宗教学などが人文科学に含まれます。
一方、社会科学系統は人間社会の様々な面を科学的に研究する学問形態で、法学、経済学、政治学、社会学、経営学、商学などが挙げられます。
これらの中で最もメジャーな文系学部は「法学部」「経済学部」「文学部」「教育学部」「外国語学部」の5つです。それぞれの学部の特徴を詳しく見ていきましょう。
法学部とは?
法学部とは、憲法や民法、商法、刑法などの法律について研究する学部です。人間社会に欠かすことのできない、法律の歴史や仕組みについて学ぶことができます。
法学部の学科には法律学科、政治学科などがあります。法律学科は法律について深く学びたい人や、弁護士や検事、裁判官などを目指している人、司法試験を受験しようと考えている人におすすめです。
政治学科は政治家を目指している人や、国家公務員になりたい人などに向いています。
法学部卒業生の主な進路は、法曹系や公務員のほか、民間企業に進む生徒も多いです。法律は業種や業界を問わず必要となる知識なので、汎用性の高い学部といえるでしょう。
経済学部とは?
経済学部とは、経済の仕組みやお金の流れについて研究する学部です。ビジネスに直結する知識を身につけることができるため、文系の中でも数が多く人気があります。
経済学部には多くの学科があり、その区分けは大学によってまちまちです。代表的なものとしては経済学科、経営学科、商学科、会計学科などが挙げられます。
経済学科はミクロ経済学やマクロ経済学などの学問を深く学ぶ傾向が強く、経営学科や商学科は企業活動や商業、貿易などビジネス寄りの内容になっています。そして会計学科は公認会計士や税理士を目指す人に最適な学科です。
経済学部卒業生の主な進路は、公認会計士や税理士、簿記検定、中小企業診断士、社会保険労務士などの資格を取得するほか、一般企業に就職するケースも多いようです。
文学部とは?
文学部とは、人文科学系統の学問を扱う学部で、文学や言語学、歴史、哲学、心理学など、さまざまな分野の文化について研究します。
文学部には多岐にわたる学科が存在しますが、文学科、史学科、哲学科、心理学科などが代表的です。
文学部卒業生の主な進路は、公務員やマスコミ関係、出版業界、メーカーなどが多い傾向にあり、特に出版業界、公務員の人気が他学部に比べ高いです。
教育学部とは?
教育学部は、教育のあり方や人材育成に関して深く学び、教員になるための知識や教養を身につける学部です。
教育学部は「教育学系」と「教員養成系」に分かれています。「教育学系」は教育を学問として研究するのが主たる目的なので、必ずしも教員になることを目的としていません。
それに対して「教員養成系」は教員になるための学部で、教員免許の取得が卒業の必須条件です。
教育学部卒業生の主な進路には、教員や教育機関のほか、一般企業の人事部門、教育系の民間企業なども挙げられます。
外国語学部とは?
外国語学部とは、外国語を学ぶことに特化した学部です。英語学科、ドイツ語学科、スペイン語学科、フランス語学科、中国語学科など、さまざまな国の言語を学べるようになっており、特定の国の言語に興味のある人や、語学力を活かしてグローバルな場で活躍したい人に向いています。
外国語学部卒業生の主な進路は、外資系企業や旅行代理店、語学スクールの講師、国家公務員などが多い傾向にあります。
文系学部は幅広い知識と視野が身につく
文系学部は理系学部と比較すると、幅広い知識や教養を身につけられ、視野が広がるのがメリットといえます。
また、理系学部よりも時間に余裕がある場合が多いです。自分が興味を持った分野をより深く学んだり、外国に留学したり、学問以外の活動に力を入れることができるなど、自由度の高い大学生活を送ることができるでしょう。
また司法試験や公認会計士、教員免許など、資格取得に有利となる学部も多いので、それらの資格取得を目指している人には、文系学部がおすすめです。