「通信制高校」とは? その特徴やメリット・デメリットをご紹介
高校には3つのタイプがある
高校には「全日制高校」「定時制高校」「通信制高校」の3つのタイプがあり、学生の事情や目的、ニーズに合わせて選択できるようになっています。
自分に最適なタイプの高校を選ぶには、それぞれが持つ特徴やメリット・デメリットを知っておくことが大切です。
通信制高校とは?
通信制高校とは、通信教育により自宅で学習する形式の高校です。毎日高校に通う必要がないのが、通信制高校の大きな特徴になります。
通信制高校を卒業すれば、全日制高校や定時制高校と同様に「高校卒業資格」を得ることができます。
卒業条件の違い
通信制高校を卒業するための条件は、全日制高校や定時制高校と異なり、次の3つの要件を満たす必要があります。
1つ目は「3年以上在籍すること」です。別の高校から転入・編入した場合は、それまで通っていた高校の在籍期間も合算してカウントすることができます。
2つ目は「74単位を取得すること」です。全日制高校が採用している「学年制」と異なり、通信制高校では「単位制」を採用しています。
もし1年次に取得できなかった単位があったとしても、2年次に取得すれば良いので、「留年」という考え方が存在しません。
1年間で取得する単位数を自由に決められるのも、通信制高校の大きな特徴といえるでしょう。
3つ目は「特別活動30単位を取得すること」です。特別活動とは、ホームルームや体育祭、修学旅行といったイベントを指します。これらを3年間で30単位以上取得するのも、卒業の要件です。
一方で、全日制高校の卒業条件は「3年生を修了すると卒業」となっており、定時制高校は通信制高校と同様に「卒業要件を満たすと卒業」です。しかし、定時制高校は1日の授業数の関係上、一般的に卒業まで4年かかることが多いという違いがあります。
通信制高校の学習の流れ
通信制高校は通学して授業を受けるというスタイルではないので、どうやって学習を進めていくのか気になるところでしょう。
通信制高校では「自習」→「レポート提出」→「スクーリング」→「テスト」という流れで、単位を取得していくスタイルになります。
まずは自宅で教科書やテキスト、学校側が用意した動画などを使って「自習」します。
次に、自習によって内容が理解できたかを確認するためのレポートを作成し、学校に送付します。
レポートの形式は学校や教科によってまちまちです。小テストのようなものや、学習内容を要約したレポートを書かせる形式などがあります。作成したレポートは学校に郵送やメールで送付し、教員がそれを添削します。
そして「スクーリング」は、学校に登校して授業を受ける指導のことです。スクーリングの頻度は学校によって異なりますが、科目ごとにスクーリングの最低日数や時間が定められており、それをクリアしないと単位を取得できないことが多いようです。
最後に「テスト」を受け、これをクリアすると単位認定となります。
通信制高校のメリット
通信制高校のメリットは、学校に毎日通学することなく、自宅学習で高卒の資格が得られることです。自由な時間が取りやすく、趣味や仕事、スポーツ、習い事、将来に向けた資格の勉強など、自分のやりたいことと両立できます。
3年間で74単位を取得すれば良いので、自分のペースで学習を進めたい人にとっては魅力的でしょう。
また、諸事情で毎日の通学が難しい人や、大人数のクラスで一緒に勉強するのが苦手な人にとっても通信制高校は最適です。
通信制高校のデメリット
自由度の高い通信制高校は、それゆえ自主性や自己管理能力が求められます。全日制高校のように学校に通って受動的に学習するのではなく、自ら学習計画を立てて取り組んでいく必要があるので、なまけぐせのある人は注意が必要です。
また登校する機会が少ないため、全日制高校よりも友達作りが難しかったり、孤独感を覚えたりする可能性があることもデメリットといえます。
「高校生活で、友達とたくさん思い出を作りたい」と考えている人にとっては不向きかもしれません。
いろいろな通信制高校がある
通信制高校と一口にいっても、スクーリングの頻度やイベントの充実具合などはさまざまです。
大学進学向けコースや、プログラマー育成コース、その他資格取得や技能の習得に特化したコースなど、独自のカリキュラムを用意している高校もあります。自分の目的やニーズに合わせて選ぶことができるので、興味のある方は情報収集してみてはいかがでしょうか。