222(コラム)

次世代の人材を育成する「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」とは?

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日本の理数教育の要

先進的な理数教育の場として、「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」が注目されています。将来理数系の大学や大学院への進学を目指している人、最先端技術の研究開発に携わってみたいと考えている人に最適な高校です。

しかし、SSHは具体的にどのような学校のことなのでしょうか。

 

「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」とは?

「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」とは、先進的な理数教育を実施する高校として、文部科学省により指定を受けた学校のことです。

 

文部科学省の説明によると、本制度では「将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を「スーパーサイエンスハイスクール」として指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じた体験的・問題解決的な学習等を支援する」としています。※1

 

2002年度に事業がスタートし、2020年度時点でSSH指定校は全国217校にのぼります。

東京のSSH指定校は、東京工業大学附属科学技術高等学校、筑波大学附属駒場高等学校、東京学芸大学附属高等学校、東京学芸大学附属国際中等教育学校、お茶の水女子大学附属高等学校、都立小石川中等教育学校、都立多摩科学技術高等学校、都立日比谷高等学校、都立立川高等学校、都立戸山高等学校、東海大学付属高輪台高等学校、玉川学園高等部・中学部、中央大学附属高等学校、豊島岡女子学園高等学校の14校です。

 

※1 文部科学省:「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」より

https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/gakkou/1309941.htm

 

 

SSHに認定される条件

どんな高校でもSSHに認定されるわけではなく、国による審査を経る必要があります。具体的には、以下のようなポイントを押さえた取り組みを行っている学校がSSHに認定されているようです。

 

・学習指導要領の枠を超え、理数系分野を重視した教育課程を編成

・主体的・協働的な学び(いわゆるアクティブ・ラーニング)を重視

・研究者の講義による興味関心の喚起やフィールドワーク等による自主研究の取組

・上記取組を高大連携や企業連携により高度に実施

 

まとめると、一般的なカリキュラムに加えて独自の理数系教育を実施しており、従来の詰め込み型教育ではなく主体性・共同性を重んじた教育を行っていること、そして高校という組織の枠を超えて研究者や大学、各企業との連携を図っていることなど挙げられます。

 

 

SSHによる高度な研究成果

本制度では、SSHに在籍する生徒が研究開発した成果を発表する場として「SSH生徒研究発表会」を毎年開催し、表彰を行っています。

2020年に行われた発表会の表彰結果は以下の通りです。

 

・文部科学大臣表彰:国立大学法人神戸大学附属中等教育学校

(研究テーマ:チョウの翅の撥水性と微細構造の関係-水接触角・滑落角の観点から-)

 

・科学技術振興機構理事長賞(1):滋賀県立彦根東高等学校

(研究テーマ:”自然数の累乗和”の累乗公式 ―図形の入れ子構造を利用した公式生成アルゴリズム―)

 

・科学技術振興機構理事長賞(2):岡山県立岡山一宮高等学校

(研究テーマ:おがくずを用いた新しい耐火性および断熱性素材の開発)

 

上記表彰の他にも48校が各賞を受賞しており、どの研究テーマも先進的かつ独創的で、興味深いものばかりです。

 

 

SSHの海外連携

立命館高校では「Japan Super Science Fair」という国際科学研究フェアを開催し、世界22カ国・地域の海外理数教育重点高校や国内SSHを中心に、優れた理数教育を実践している高等学校の生徒が集い、5日間さまざまな企画を通して交流を行っています。

また福島高校は、SSH生徒研究発表会での受賞を受け、第30回CASTIC(中国青少年科学技術イノベーションコンテスト)の日本代表として生徒2名が出場、見事に銀メダルを獲得しました。

 

このようにSSHでは、国や地域を超えて国際的に活躍する人材の育成にも力を入れているのも特徴です。

 

これからの日本が科学技術分野で世界を牽引していくために必要な人材を育成するSSH。今後の動向にも目が離せません。理数系の分野に進みたい方は、進路の候補として考えてみてはいかがでしょうか。

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