222(コラム)

「国際科学オリンピック」とは? どうすれば出場できる?

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科学のオリンピック

2021年8月、東京2020オリンピックが閉幕しました。実はスポーツだけでなく、科学の世界にもオリンピックがあるのをご存知でしょうか?

スポーツのオリンピックと同様に、世界各国の代表者が集まり、メダル獲得を目指して実力を競い合う国際大会となっています。

「国際科学オリンピック」とは?

国際科学オリンピックは、世界各国の中等教育課程にある生徒(主に高校生)を対象に開かれる、国際的なコンテストのことです。科学技術に関する知識や能力を競い合う大会で、「知のオリンピック」と呼ばれることもあります。

 

国の代表として4名から6名の選手が出場し、金・銀・銅のメダルをかけて競います。スポーツのオリンピックとは異なり、金メダルは成績上位者の約1割、銀メダルは約2割、銅メダルは約3割の生徒に授与されるのが特徴です。

 

 

「国際科学オリンピック」の7分野

国際科学オリンピックは、7分野(数学、物理、化学、情報、生物学、地理、地学)の大会に分けられます。それぞれ「国際数学オリンピック(IMO)」「国際物理オリンピック(IPhO)」「国際化学オリンピック(IChO)」「国際情報オリンピック(IOI)」「国際生物学オリンピック(IBO)」「国際地理オリンピック(iGeo)」「国際地学オリンピック(IESO)」と呼ばれています。

 

この中で最も歴史が古いのが、1959年にルーマニアで第1回大会が開催された、国際数学オリンピックです。その後、それぞれの部門の国際科学オリンピックが開催されていき、最も新しい国際地学オリンピックは2007年からスタートしています。

 

元々は東ヨーロッパ諸国を中心に開催されていましたが、回数を重ねるごとに参加国が増えていき、現在は100ヶ国近い国・地域が参加する国際大会へと成長しました。

それぞれの大会は毎年開催され、開催地は分野ごとに参加国の持ち回りで決定されます。

 

 

出場資格を得るには?

国際科学オリンピックに出場するためには、分野ごとに開催される国内選考会で勝ち上がり、日本代表に選ばれなければいけません。

 

一次選考の問題は、高校レベルの知識や応用力を試すものが中心です。選考方法は、筆記試験やオンライン試験、課題レポートの提出、作品の審査など、それぞれの分野で異なります。

 

一次選考で上位になると、二次選考へ進みます。二次選考も参加する分野ごとに形式が異なり、試験と講義を組み合わせた合宿形式での選考会となる場合もあります。

 

二次選考をクリアすると、代表候補として合宿に参加できます。大学教授による直接指導や質疑応答の場が設けられており、知識や技能をさらに磨くことができるでしょう。

そして、合宿を経てから最終選考を行い、各分野で4名から6名が日本代表として選出されるという流れです。

 

 

日本での開催予定

国際科学オリンピックは、日本でも開催されています。

近年だと、2020年7月に長崎で国際生物学オリンピックが開催されました。

また、新型コロナウイルスの影響でリモート開催となりましたが、2021年7月には日本で国際化学オリンピックが行われ、日本の選手は銀メダル3名、銅メダル1名という結果を残しています。

 

2022年にも、国際物理オリンピックが日本で開催される予定です。

 

 

国際科学オリンピックの魅力とは?

国際科学オリンピックに出場できるのは、国内の選考会で選ばれたごくわずかな生徒です。スポーツのオリンピックと同様に、出場できるだけでも大変な栄誉といえるでしょう。

もちろん、そこでメダルを獲得できれば、将来に向けた大きな実績となります。

 

また、国際科学オリンピックは、メダルを目指して各国の参加者が競い合うだけの大会ではありません。同じ志を持った世界中の仲間達との出会いや交流を通じて、知識や技能を高め合ったり、人脈を広げたりできるという側面も持っています。

 

国際科学オリンピックに興味を持たれた方は、選考会の情報や、過去に出題された問題などについて調べてみてはいかがでしょうか。

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