今さら聞けない「SDGs」 学校教育におけるSDGsの取り組み事例
キーワードは「サスティナブル」
テレビやインターネットなどでさかんに扱われている「サスティナブル(サステナブル)」や「SDGs」。全世界の産業界で必須課題となっており、学校教育の現場でも取り入れられています。
何となく理解しているつもりでも、内容をきちんと説明できる人はそう多くないはずです。
お子さんから「サスティナブルってなに?」と聞かれた時に困らないよう、基礎知識を頭に入れておきたいものです。
「SDGs」とは?
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、「エスディージーズ」と読みます。日本語だと「持続可能な開発目標」という意味です。
サスティナブルは本来「維持できる」などの意味を持つ言葉で、「サスティナブルな社会」は「持続可能な社会」を意味します。リサイクルを推進して資源を無駄遣いしない社会、地球環境を破壊せず美しい自然を次の世代に残していける社会のことです。
SDGsは世界中で達成すべき目標とされていて、2015年の国連サミットで採択された17の目標から構成されています。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
1から6は主に発展途上国に関わる問題で、7から12は主に先進国や各企業が取り組むべき問題となっています。13から17は、地球規模の環境保全や世界平和に関するテーマです。
これら17つの目標は、「誰一人取り残さない」ことをコンセプトに、持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するもので、2030年までの達成を目標としています。
なぜ「SDGs」ができたのか?
地球資源の枯渇や環境破壊に対する危機感は今に始まった話ではなく、1970年代頃から続くものです。さまざまな意見や議論がなされましたが、当時は「環境保全」と「経済成長」は相対するもので、両立できないと考えられていました。
1980年代に入ると「持続可能な開発」という考え方が生まれます。経済成長があるからこそ環境保全に投資が可能となり、環境保全なくして経済成長は成しえないという、双方が両輪の関係にあるという考え方です。
これらの議論を基に、球温暖化や異常気象、拡大し続ける貧富の差、世界各地の紛争、難民などの社会問題には、地球規模で対処しなければならないという危機意識から生まれたのがSDGsです。
SDGsは一国だけの問題ではありません。世界中のすべての人々が意識し実践していかなければ、目標の達成は望めないことから、「人類共通の目標」といっても過言ではないでしょう。
学校教育におけるSDGsの取り組み
教育現場でも、SDGsはさまざまな形で取り入れられています。
小学校では、地球温暖化対策としてヘチマや朝顔などの植物を育てて「緑のカーテン」を作ったり、牛乳パックのリサイクルを通じて紙の節約や森林保存について学んだりと、座学以外にも体験学習を積極的に取り入れ、深い学びを実現しようとしています。
中学校では、ユネスコスクールに加盟して国際理解教育や英語教育を推進したり、17の目標のうち自分が興味のあるテーマを選び、各自が調査した内容をプレゼンしたりする取り組みが見られます。
また高校では、企業と共同で資源削減プロジェクトの推進、SDGsに関するプレゼン大会や選手権などが開催されています。
家庭でSDGsについて考えよう
SDGsは未来を担う子ども達にとって非常に重要なテーマであると同時に、多くのビジネスチャンスやイノベーションを秘めている考え方です。
SDGsについて深く学ぶには、まず興味のあることや身近なテーマから入り、当事者意識を持つことが大切です。ご家庭でも、SDGsについて話し合ってみてはいかがでしょうか。