海外大学に進学するには? 方法や必要な準備、費用などを解説
海外留学事情が変化
従来の海外留学といえば、短期留学や交換留学、ホームステイなどが一般的でしたが、グローバル化の流れに乗る形で、海外の大学に直接進学するケースも増えています。
一昔前は「海外の大学に進学する」というのは、一握りの特別な人だけの話と思われていました。しかし現在は、日本の大学だけでなく、海外の大学も進学先の候補として考えられる時代になっているのです。
海外大学に進学するメリット
海外大学への進学には、どのような魅力やメリットがあるのでしょうか。海外の大学に目を向けてみると、実に多くの学科や専攻が存在することに驚くはずです。
日本の大学の専攻といえば、法学、政治学、経済学、文学、理工学、医学などが一般的です。一方で海外の大学にはダンス、映画制作、女性学、コミュニケーション学、ジャーナリズム、カイロプラクティック、ライティング、音楽療法、宝石鑑定学など、あらゆる分野の専攻があります。
ひとつの大学でさまざまな専攻を選択でき、興味のある分野を専門的に学べる環境が整っているのが海外大学の魅力です。
また、海外の大学は日本の大学に比べて、講義の中でディスカッションやプレゼンテーションを行う機会が多いです。自然と語学力が強化され、ディスカッション・プレゼンテーション能力も身に付きます。
そして、海外の大学には多種多様な人種や国の生徒が集まっています。価値観や文化が異なる仲間と交流する中で、環境適応能力やグローバル感覚を養いながら、幅広い人脈を築くことができるのも大きなメリットといえるでしょう。
海外大学進学の方法
海外大学へ進学する方法は、大きく分けて2つあります。1つ目は「編入」、2つ目は「直接出願」です。
「編入」は、まず日本の大学や短大に入学して数年学んだ後に、海外大学の3年次へ編入学する方法です。
この方法のメリットは、日本の学校で最低限必要な語学力を身に付けてから留学できる点と、留学期間を2年間に短縮することで留学費用を抑えられる点です。
留学や編入に関するサポートやアドバイスが手厚い学校を選べば、スムーズに海外大学へ進学できる点も大きな魅力といえます。
直接出願の流れ
一方で「直接出願」は、自分で海外大学に出願し、審査を経て入学する方法です。
海外大学へ入学する際に、日本の大学のような学力テストはなく、主に高校3年間の成績や課外活動における実績によって審査されます。海外大学への直接進学を目指すのであれば、高校1年のときから成績や課外活動を意識して過ごすことが重要です。
直接出願で必要な書類には、「高校の成績書」「高校の卒業証明書」「志望動機書」「推薦状」などがありますが、詳細は大学によって異なります。志望大学が指定する必要書類は、事前に確認しておきましょう。
必要な書類を揃えたら、大学が設定している願書締切日までに提出します。
直接出願で必要な英語レベルは?
海外大学では入試が行われないとはいえ、一定レベルの語学力が求められます。
アメリカの大学の場合だと、「TOEFL iBT」のスコアが61以上あることが最低ラインとされ、レベルの高い大学になると、79以上などの高いスコアが求められることもあります。
またアメリカ大学では語学力以外にも、「SAT」や「ACT」と呼ばれる共通学力テストのスコアを求められるため、これらのテスト対策も同時に必要です。
気になる留学費用は?
海外大学に進学する際にかかる費用は、日本の大学に通った場合と比較すると高額です。
国や大学によって異なりますが、1年間の授業料はおよそ200万円〜500万円、さらに寮などの居住費と生活費で1年間に100万円〜250万円ほどかかるといわれています。4年間の総額にすると、1,200万円〜3,000万円ほどです。
これに渡航費や交通費、その他諸々の費用が加わるので、保護者の方にとっては大きな負担となるはずです。海外大学への進学を目指す際は、ご家庭内でよく話し合って決めるようにしましょう。
奨学金を活用しよう
「海外留学は費用がかかるから」と、お金を理由に諦めてしまうのは早計です。
日本学生支援機構をはじめ、各自治体や民間団体などが、海外留学者のための奨学金制度を用意しています。
返済義務のない「給付型」や、返済義務のある「貸与型」など、さまざまな種類の奨学金があるので、海外大学への進学に興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。