留学で必要となる「SAT」とは? 概要や難易度について解説
アメリカの大学に留学するなら
近年、海外の大学に直接進学をする人が増えてきています。その中でも人気が高いのはアメリカの大学です。
アメリカの大学に進学するうえでは、「SAT」と呼ばれるテストのスコアが重要な要素になる場合があります。
「SAT」とは?
SAT(Scholastic Assessment Test)とは、アメリカの大学進学希望者を対象とした共通学力テストのことです。非営利団体「College Board」によって運営されています。
SATは留学生だけを対象とした試験ではなく、アメリカで大学進学を希望する高校生にとっても必須の学力テストです。そのため、出題される問題はネイティブの高校生を対象としたものになります。
イメージとしては日本の「大学入学共通テスト」(旧センター試験)に近いですが、年に複数回受けられる、アメリカ国外から受験が可能などの違いがあります。
アメリカの大学の入学審査
SATについて解説する前に、まずアメリカの大学の入学審査についてご紹介しておきましょう。
アメリカの大学の入学審査では、基本的に書類審査と面接によって合否が決定されます。書類審査では、高校の成績表や推薦状、エッセイ、課外活動実績、留学生の場合はTOEFLのスコアなど、さまざまな書類を総合的に判断します。SATのスコアも、書類審査の判断材料のひとつです。
つまり、SATのスコアだけ良くても大学に合格できるとは限りません。
書類審査では、高校の成績表が大きなウェイトを占める場合が多いです。SATで高得点を出す以前に、まずは日本の高校でしっかりと良い成績を残す必要があります。
また、大学によってSATのスコアの提出が必須のところもあれば、任意あるいは不要としている場合もあります。志望校の必要書類を確認するようにしましょう。
SATの種類
SATには「SAT Reasoning Test」と「SAT Subject Test」の2種類があります。一般的にSATと呼ばれているのは、SAT Reasoning Testです。
SAT Reasoning Testは英語と数学の2教科で、基礎学力を測る試験となっています。
SAT Subject Testは科目別のテストです。英語や世界史、アメリカ史、数学、生物学、化学、物理学、語学などの科目があります。ただし、運営団体からSAT Subject Testを今後は実施しないとの発表があり、2021年6月の試験をもって廃止されるため、無視して問題ありません。
「SAT Reasoning Test」の詳細
SAT Reasoning Testは3つのセクションからなります。
1つ目は「Reading」で、英文の読解問題が出題されます。問題数は52問で、制限時間は65分です。
2つ目は「Writing and Language」で、文法や解釈に関する問題が出題されます。問題数は44問、制限時間は35分です。
これらのテストでは、ネイティブに向けた国語としての英語が扱われるため、日本の高校生にとってはかなり難解な問題になっています。
3つ目の「Mathematics」は、数学の演算、代数、幾何学、統計、確率の分野から出題されます。このセクションでは日本の高校で習う数学が扱われるので、過去問などで対策すれば、日本人でも高いスコアを狙うことが可能です。
以前は「Essay」というセクションをオプションで受験できましたが、2021年から廃止となっていて、現在は受験できません。
SATのスコアはどれくらい必要?
SATの配点は、ReadingとWriting and Languageが合計200点〜800点、Mathematicsが200点〜800点の間で採点され、合わせて最低スコア400点、最高スコア1,600点となります。
ちなみに、2019年に高校を卒業したSAT受験者の平均点は、ReadingとWriting and Languageが531点、Mathematicsが528点で、合計1,059点でした。
一方、名門大学として知られるUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の入学生の平均点は、ReadingとWriting and Languageが690点、Mathematicsが715点、合計1,405点と、全体平均に比べて高水準であることがうかがえます。最難関のハーバード大学ともなると、さらに高いスコアが求められ、満点に近いスコアを取っている入学生が多いです。
確実に求められるものではありませんが、名門大学では提出が必要な場合もあります。アメリカの大学への進学を検討している方は参考にしてみてください。