人気職業「学校の先生」になるには? 小中高の教員になる方法
いつの時代でも憧れの職業
子ども達にとって最も身近な大人であり、勉強を教えてくれる以外にも、部活の顧問として指導したり、生活面での悩みを聞いたりしてくれる「学校の先生」は、いつの時代でも憧れの的です。「なりたい職業ランキング」でも、常に上位にランクインしています。
生徒一人ひとりに寄り添い、人格形成や価値観にも大きな影響を与える教員は、社会的責任が重く苦労も伴いますが、その分やりがいのある職業といえるでしょう。
教員になるには?
教員になるには、小・中・高、私立・公立を問わず、「教員免許」を取得していることが前提です。
教員免許の取得後、「教員採用試験」に合格し、面接などを経て採用となります。
教員免許の取得方法その1
教員免許を取得する方法で最も一般的なのが、大学や短大の教職課程を履修し、必要な単位を修得する方法です。教職課程の単位を取り、必要書類を揃えて申請すれば、教員免許を取得できます。このようなプロセスで取得する教員免許は「普通免許状」と呼ばれます。
普通免許状は、取得方法によって「一種免許状」「二種免許状」「専修免許状」の3種類に分けられます。
一種免許状は4年制大学の教職課程を修了した学士に、二種免許状は短期大学の教職課程を修了した短期大学士に与えられます。専修免許状は、大学院で修士を得た場合に取得可能です。
小学校と中学校はすべての免許状が有効ですが、高校教員の場合は一種免許状か専修免許状を取得している必要があります。
また、いずれの免許状も有効期間は10年で、10年ごとに講習を受講しなければいけません。ただし、文部科学省は教員免許の更新制を廃止する方針を表明しており、将来的には更新が不要になる見込みです。
教員免許の取得方法その2
大学等で教職課程を履修する以外にも、教員免許を取得する方法があります。それは「教員資格認定試験」に合格するという方法です。
教員資格認定試験は、独立行政法人教職員支援機構が実施する試験です。教職教養や専門教養を測る筆記試験、指導案の作成、模擬授業、グループディスカッション、論文などで合否を判定します。
教員資格認定試験は高校を卒業していれば受験できるため、教職課程の大学や短大を出ていなくても教員になることが可能です。
この試験に合格すると二種免許状を得られますが、教員として働けるのは幼稚園・小学校・特別支援学校の3つに限られます。中学や高校の教員になることはできないので、注意が必要です。
教員免許の取得方法その3
少し特殊なパターンですが、「特別免許状」を取得するという方法もあります。
特別免許状とは、担当する教科について高い専門性を持っていると認められた場合に与えられる免許状です。小・中・高校を問わず授与が可能ですが、授与を受けた都道府県のみで有効という制約があります。
教員採用試験とは?
教員になるには教員免許を取得するだけでなく、教員採用試験にも合格しなければなりません。
公立の場合は各自治体が実施している教員採用試験を、私立の場合は学校が独自で実施している試験を受験することになります。
公立の教員採用試験の内容は、第一次選考では教職教養や専門教養、論文などです。第二次選考では口述試験や実技試験が行われます。
試験倍率は小学校が2.7倍、中学校が5.0倍、高校が6.1倍となっていますが、自治体ごとに大きなばらつきがあります。※1
※1出典:文部科学省「令和2年度(令和元年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1416039_00003.html
どの教員になりたいか早めに決めよう
小学校の教員であれば、高卒でも教員資格認定試験に合格すれば教員免許を取得できます。しかし、中学校の教員になるには短大以上の学歴が、高校の教員になるには大学以上の学歴が必要です。
このように、どの教員になるかによって進路が大きく変わります。自分がどの学校の教員になりたいのかを考えながら、進路を決定するようにしましょう。