受験を控えた子どもに対して親ができること・やってはいけないこと
受験は家族のサポートが大事
入試は、子どもの人生の転機となり得る重要な機会です。志望校合格に向けて積み上げてきた勉強の成果を遺憾なく発揮し、目標を達成できるかどうかがテストの結果によって決まります。
また、日々の勉強によってストレスや疲れが蓄積され、体調を崩しやすくなったり、不安やプレッシャーから精神的に追い込まれたりする時期でもあるでしょう。
受験は子ども自身で乗り越えなければならない壁ですが、子どもが実力を最大限に出し切れるために、親として適切なサポートをしてあげたいものです。
食事や体調管理
まず、受験期のサポートで最も大切なのは体調管理です。子どもは受験勉強に集中しすぎるあまり、自分の体調の変化に鈍感になっていることがあります。一番身近な存在である家族が、子どもの様子を注意深く観察し、体調の変化に気付いてあげることが大切です。
また、食事は受験シーズンにおいて、気分転換や楽しみを与えてくれるものでもあります。栄養バランスを考え、子どもが喜ぶような料理や夜食を作ってあげましょう。
子どもは言葉にせずとも、料理を通じて親の愛情や心遣いを感じるものです。
受験の仕組みや手続きについて知っておく
受験を体験した子どもを対象としたアンケートにおいて、「出願方法や受験の仕組みを親に知っていて欲しい」という声が多く見られます。最低限の情報は親にも知っておいて欲しいと、子どもは考えているようです。
子どもが受験勉強に集中できるよう、出願方法や受験のスケジュール、手続き全般などは親も把握し、子どもの負担を軽減してあげましょう。
志望校のホームページや、受験に関する情報をとりまとめた「受験ポータルサイト」などを活用すれば、情報を集めることができます。
志望校選びはバランスが大事
志望校については、本人の意志にすべて任せるという方もいれば、親の意向を強く反映させる家庭もあるでしょう。一概にはいえませんが、放任しすぎるのも、干渉しすぎるのも良くありません。
子どもが一人で決められないという場合は、相談に乗ってあげたり、アドバイスしてあげたりする必要があります。学校や学部については、親がある程度知っておくことが望ましいです。
反対に、親にあれこれ指図されるのを嫌う子もいます。親に「この学校にしなさい」といわれると、反発心が生まれたり、やる気をなくしたりする可能性があるので注意が必要です。
第二志望や第三志望、滑り止めなどに関しては、場合によってはデリケートな話題になります。模試の判定結果などを見た後に、あからさまに滑り止めを勧めると、子どもは「信用されていない」と感じて自信を失う恐れもあるでしょう。
子どもの自尊心を大事にしつつ、親として安全策も提案するというバランス感覚が問われます。親の考えを一方的に押し付けないよう、親子で対話しながら決めていくのが理想です。
「勉強しなさい」は禁句
ここまでは、受験を控えた子どもに親ができることを挙げてきましたが、反対に親がやってはいけないことを考えてみましょう。
特にやってしまいがちなのが、「勉強しなさい」という発言です。子どもの将来を心配するからこその一言ですが、効果はほとんどないばかりか、逆効果になることを認識しておく必要があります。
親の目からすると、受験が間近に迫っているにも関わらず、リビングでゴロゴロしたり、ゲームをしたりしている姿が目立つと、「そろそろ勉強したら?」「大丈夫なの?」などと口を出したくなるものです。
ですが、そのようなことをいわれても子どものやる気は起きません。むしろ、やる気を削がれる可能性の方が高いでしょう。
子どもは、親の見ていないところで勉強を頑張っています。親が子どもを信用してあげることが何よりも大切です。
他の子と比較しない
次に親がやってはいけないのが、他の子と比較して発言することです。
他人との比較は誰もが嫌な思いをするとわかっているものの、我が子に対してはついやってしまっていませんか?
他の子との比較だけでなく、兄弟間での比較も子どもの心に深い傷を負わせます。
また、自分の子ども時代と比較してネガティブな発言をするのもやめましょう。「私が受験生の頃は」といった昔話は、たいてい現代の子どもにとってアドバイスにならず、うんざりさせてしまうだけです。
適度な距離感を保つことが大切
受験は一人で乗り越えなければならない孤独な戦いです。しかし、親は適切なサポートで子どもの力になることができます。
子どものやる気を鼓舞しようと口を挟んだり、心配しすぎてあれこれ聞いたりするのは過干渉であり、良い影響を与えません。
一方、受験は一人で乗り越えてこそ子どもの成長につながると考えるのも逆効果です。子どもから何か聞かれた時に「自分で考えなさい」と応じず、一切干渉しないというのは、子どもの不安を助長させる可能性があります。
子どもの性格や適性に合わせて、適度な距離感を保ちつつ、サポートや応援をしてあげることが大切です。