効率的な暗記学習のポイント! ライトナーシステム勉強法とは
量が多く暗記が大変な受験勉強
英単語や熟語、歴史上の事件、年号、化学式など、受験勉強ではたくさんの知識を暗記しなければいけません。一度にすべてを覚えることはできないうえに、どんなに勉強しても時間とともに忘れてしまいます。
復習を繰り返して、少しずつ知識として定着させることが大切です。
とはいえ、すべての単語を何度も繰り返し復習するのは、効率的とはいえません。受験までの時間は限られているため、少しでも無駄な勉強時間を減らす必要があります。
暗記学習を効率的に行うために取り入れたいのが、「ライトナーシステム勉強法」です。
暗記が難しい理由
暗記が難しい理由は、人間の脳の仕組みが原因です。人が記憶したものをどれくらいの時間で忘れるかを示す「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は1度覚えたことでも、1時間後には全体の56%、1日後には74%程度忘れてしまいます。
個人差はあるものの、時間が経つほど覚えた記憶は減ってしまうということです。
例えば、試験前日に一夜漬けで覚えた知識や、授業で1度聞いただけの知識は、その瞬間は覚えていたとしても、数日後には覚えていないでしょう。
ただし、人の脳は何度も繰り返し覚えた情報を重要なものと認識して、忘れにくくなります。
英単語などを記憶するには、何回も復習を行って重要な知識と頭に認識させることが重要です。
ライトナーシステム勉強法とは?
ライトナーシステムとは、1970年代に、ドイツ人の科学記者であるセバスチャン・ライトナー(Sebastian Leitner)が提案した勉強法です。前述のエビングハウスの忘却曲線をもとに考案されました。
ライトナーシステム勉強法では、忘れていたものは復習の間隔を短くして、覚えているものは復習の間隔を長くする「間隔反復」という原理を用いています。
覚えやすいものは勉強する機会を減らし、覚えられないものは多く勉強するので、効率的に苦手なものを勉強できます。
特に、単語の暗記や1問1答形式の問題を解く際に適している勉強法です。
ライトナーシステム勉強法のやり方
ライトナーシステムは、クリアケースなどの箱と、単語が書かれたカードがあれば行うことができます。やり方は、以下の通りです。
1.5つの箱を用意して、それぞれに番号を振り分ける
2.単語を書いたカードを用意して、すべて1の箱に入れる
3.カードを取り出し、意味を当てたら1つ大きな数字の箱に移す。1度でも間違えた場合は、どの箱にある場合でも1の箱に戻す
4.1の箱は毎日、2以降の数字の箱は決められた間隔でカードをチェックしていく
箱ごとに、復習する間隔を変えるのがポイントです。例えば、1の箱は毎日、2の箱は1日おき、3の箱は3日おき、4の箱は1週間おき、5の箱は15日おき、などと決めておきます。
復習するタイミングを忘れにくくなるので、あらかじめ箱に「毎日」などと書いた紙を張り付けておくのもおすすめです。
1の箱に入っているカードが少なくなったら、新しく暗記したい単語を書いたカードを追加すると良いでしょう。
ライトナーシステム勉強法のメリット
ライトナーシステムの特徴は、間違えたカードは必ず1番目の箱に戻すことです。自分が苦手としている単語だけ集中して暗記できるので、効率的に覚えられます。
暗記するタイミングも単語ごとにばらばらになるため、その他の勉強に時間を割きやすい点もメリットです。
また、ライトナーシステムでは単語カードを引く順番が毎回異なる点も見逃せません。例えば、一般的な単語帳の場合は、「これが来たから次の答えは確か○○だったはず」などと、ページ数や掲載順で答えを覚えてしまうことも考えられます。
ライトナーシステム勉強法は、ランダムにカードを引いて答えるため、単語そのものをしっかり記憶していないと正解するのは困難です。
英単語などを効率的に勉強したい場合は、活用してみてはいかがでしょうか。