覚えるのが難しい? 英熟語の効率的な覚え方
間違えやすい英熟語
単語や文法など、英語学習は覚えなければいけないことが多くあります。その中でも、多くの方が苦手意識を感じやすいのが「英熟語」です。
知っている英熟語が増えるほど読解力やリスニング力、表現力を高められる反面、知らないと簡単な単語の組み合わせでも、意味を理解することはできません。
とはいえ、複数の単語が組み合わさってできている英熟語には、元々の単語から意味が大きく変わっているものも多く、丸暗記ですべてを覚えるのは至難の業です。
英熟語を効率的に覚えるには、どうすれば良いのでしょうか。
英熟語はなぜ覚えにくい?
英熟語が覚えにくい理由は、いくつか理由が考えられます。
1つ目が、同じ単語を使っていても、前置詞が違うと意味が大きく変わることです。例えば、Look(見る)を使った英熟語では、前置詞によって以下のように意味が変わります。
・Look at(~を見る)
・Look up(~を見上げる、~を調べる)
・Look forward to(~を楽しみにする)
・Look down on(~を見下ろす)
・Look through(~に目を通す、~を通して見る)
・Look after(~の世話をする) など
これらを全て丸暗記するのは至難の業です。仮に覚えられたとしても、「これはどんな意味の熟語だっけ?」と混乱してしまうでしょう。
2つ目の理由が「Take A for B(AをBと間違える)」のように、目的語が2つある熟語の存在です。意味に加えて、AとBに入れる単語のルールも理解しなければいけないので、ややこしく感じる場合があります。
3つ目の理由が、使われている単語と熟語の意味が結びつきにくいことです。例えば、「lose one’s touch(下手になる)」という熟語は、lose(なくす)やtouch(触る)といった単語だけ見ても、意味を理解することができません。
では、英熟語を効率的に覚えるには、どのように勉強すれば良いのでしょうか。
効率的な英熟語の覚え方1:イメージで理解する
効率的に英熟語を覚えるためには、英熟語を構成する単語と前置詞のイメージをつかむことが大切です。英熟語は「動詞+前置詞」になっているものが多いため、前置詞のイメージがつかめれば、熟語の意味もわかりやすくなります。
例えば、「at」は一点を示す前置詞だと知っていれば、「Look at」が「~を見る」だとイメージしやすいはずです。
他の前置詞も、「up」なら「上に行く」、「through」なら「通り抜ける」、「for」なら「ぼんやりとした方向性」といったイメージを持っていれば、熟語の意味を類推しやすくなります。
似たような表現が多く、どうしても熟語の意味があやふやになってしまうという方は、前置詞のイメージを押さえてみてはいかがでしょうか。
効率的な英熟語の覚え方2:熟語ができた背景を知る
前置詞の意味をイメージしていても、意味が取りにくい英熟語もあります。
例えば、「Pull up」は「止まる」という意味の英熟語ですが、単語自体が持つ意味は「Pull(引く) up(上げる)」です。止まるという意味になる理由が、なかなかイメージできないかもしれません。
Pull upが止まるという意味なのは、馬が主な移動手段だった時代に、馬を止めるために手綱を上に引っ張っていたことが由来だそうです。
負けを認めるという意味の「throw in the towel」や、有頂天という意味の「on cloud nine」など、他にも調べてみると由来が面白い英熟語はたくさんあります。
一見すると意味が取れない英熟語があった場合は、熟語ができた由来を調べてみると、丸暗記するよりも理解しやすくなるでしょう。
英熟語の丸暗記はNG
英熟語の勉強で、丸暗記を行うのは避けましょう。同じ単語を使った熟語が多いため、「これはどの意味だったっけ?」と混乱しやすくなります。
また、教科書や熟語帳などを見るだけで覚えようとするのも避けましょう。人は、インプットとアウトプットを繰り返すことで知識を定着させていきます。
自分で英熟語を使った文章を作ってみる、実際に英会話の中で使ってみるなど、英熟語を書いたり口に出したりする機会を設けることも大切です。