中学入試の動向

2019年度の中学入試では、実倍率の高い入試が例年より多く見られました。首都圏（１都３県）の公立小学校卒業生数は、前年より約9800名多い約29万4200名でした。増加したのは6年ぶりのことです。これに対し、国私立中学の受験者数は2200名ほど増えて約4万7200名となりました。率にして前年比4.9%増ですが、これは公立小学校卒業生数の増加率（3.4％）を上回っており、それだけ中学受験率も上昇しています。景気が思わしくない中、2011年から下がり続けていた受験率も、わずかですが5年前から増加に転じ、今年度は前年より0.2ポイントアップし、16.0%となりました。公立中高一貫校のみの受験生を加えると、首都圏の中学受験性は約6万5千人となり、受験率は22%を超えます。小6生のおよそ5人に1人が中学受験をしていることになります。

難関校や大学合格実績を伸ばした学校のほか、総受験者数が増加したことから中堅上位校の人気上昇も目立ちました。また、ここ数年の傾向として、「大学付属校」「変化する社会に対応した人材育成を強調する学校」「英語力が伸びる環境をもつ学校」にも人気が集まっています。入試形態では、新たな大学入試制度を見すえ、新タイプ入試（適性検査型・思考力型・自己表現型など）や英語入試などを実施する学校も増え続けています。

公立中高一貫校（1都3県22校）では、東京11校中6校、神奈川5校中1校、千葉3校中2校、埼玉3校すべて（新設を含む）が前年より受検者を増やしました。

2020年度も埼玉を除く1都2県で人口が増え、その後も東京では増加傾向が続く見込みです。大学入試改革やグローバル化時代を見すえたとき、中学受験に対するニーズは今後も高まることが予想されます。

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2020年3月 現在