理・工系の特徴

数学は代数学、幾何学、解析学の三つに大きく分けることができます。 「代数学」では、方程式の文字の種類を増やした多元方程式や数学の女王といわれる整数論を研究しています。「幾何学」は、高校で学ぶ微分法を踏まえた微分幾何学と、位相幾何学と呼ばれているトポロジーを研究しています。「解析学」は微分・積分の延長線上にあり、物理学の力学や電磁気学と密接な関係があります。また近年、コンピュータに象徴される「応用数学」も注目されています。 現在の数学で特徴的なのはトポロジーの概念です。これは三角形と円を同じものと見なす概念です。また最近では、数学と物理学との相互乗り入れによる、数理物理と呼ばれる領域がめだっています。トポロジーや代数学・幾何学、解析学などの分野を幅広く活用し展開します。

電気が起こす現象について研究していく「電磁気学」や、物質の力と運動について究明していく「力学」や「熱力学」、粒子の性質を解明していく「量子力学」など、物質の特徴や本質を解明していく学問が物理学です。実験を通じ、結果の考察をもとに研究を進めていきます。 地学・地球科学は、地球の自然現象や鉱物など、地球そのものを研究していく学問です。宇宙や他の惑星の特性を踏まえたうえで研究を進めて行きますので、まだ解明されていない事象についても多く研究を進めていきます。

化学は、物質独自の構造や性質、または物質同士の間で起こる変化について専門的に研究していく学問です。そのため、授業は実験が非常に重要となってきます。 化学と一言に言っても、たんぱく質や酵素などの生体物質を研究する「生物化学」や、物質の分子レベルでの性質を捉える「物理化学」など様々な分野があり、大学で学んだ内容がそのまま進路に直結するケースが少なくありません。

生物学は、生命の本質について研究する学問です。生理学のように、生命自体の仕組みを見極め研究するものや、生き物の特徴や行動などを研究する生態学など、内的にも外的にも研究を進めていきます。 最近は、遺伝子の研究が活発になり、他の分野の知識も取り込んだ総合的な学問へと特徴を変えつつあります。

機械の恩恵により、人間はさらに快適に豊かな生活を送れるようになりました。移動を助け、作業を助け、知能を助け、通信を助け…。生活の様々な面で、機械は私たちの生活を助けてくれています。 しかし、一方で効率化ばかりを考え、自然との共生において、現在様々な問題が生まれてきたことも事実です。これからの機械工学は、現代が抱えている問題をデリケートに考え、かつダイナミックに発想していく勇気が必要だともいえます。これからの社会を考えるうえで、機械と自然と人間との共生も大きなテーマになるでしょう。

電気・電子・情報学は、電気を扱い、情報やモノを動かすことを研究する学問です。 情報を伝える研究としての電気は、今の世の中の中心となっている通信の仕組みや今後のあり方について学びます。 モノを動かすエネルギーとしての電気の研究では、その仕組みや性質を学ぶだけではなく、これからのエネルギーや資源問題のあり方を追求していく分野も入ってきます。 いずれにせよ、今後とも必要になる電気について学ぶので、卒業後の進路もその専門性を活かしたものになることが多いです。

化学と応用化学の違いは、化学が理論を追及するのに対し、応用化学はそれを踏まえていかに実用的な技術として応用するか、という点です。 社会にとって有用な化学成果を発信するためには、適切な倫理観も必要とされます。 材料工学は、天然の原料を加工して、より有用な性質と機能を持った材料を創造・追求する学問です。 生物工学は、生物の仕組みや力を利用し、生命維持や有用物質を創ることを目的とした学問です。 いずれも、実用化という部分に着目した学問なので、研究とその後の仕事がリンクする部分が大きいです。

土木建築工学は、建築物にとどまらず、都市環境、都市設計などの研究も幅広く行います。 また、現代では自然環境問題に関係する資源の節約や、アレルギーを起こす建築素材、バリアフリーやエコハウスに関する技術など、様々な問題もクローズアップされるので、人と地球が快適に共存できるためのインフラをバランスよく設計できるセンスが問われます。

応用理学は、幅広い分野の知識を駆使し、原子・分子レベルでの新素材創成から身近な自動車、果ては宇宙航空など、広範な領域を対象とし、環境問題など現代における様々な問題の解決を目指します。 経営工学は、直接現場へ出向き、生産システム開発や人工知能ロボット開発などを通じた企業や工場の生産性を高めることを目的とした学問です。 デザイン工学は、私たちの身の回りにある様々な製品の機能性・デザイン性の追求、改善を目指す学問です。

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2015年3月 現在